あなたは大丈夫? 中高生の読解力がピンチである理由

用紙 文章テクニック
友達に話すように、書いてみよう

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

今日は、ニュースを見ていたら少しショッキングな内容の物を見つけたので、取り上げたいと思います
教科書の文章、理解できる? 中高生の読解力がピンチ

ネット上で行ったリサーチを元にしているので、軽い気持ちで受けた人が多い分、正確な数字であるとは思いませんが、それでも正解率が中学生、高校生共に回答率が低く、簡単な文章であったとしても、違いが解らない事が強調されて書いてあります。

スポンサーリンク

【読解能力の急激な低下は事実か?】

これを読むと、「ああ、今の若者は……」というお決まりの嘆きの言葉とため息が聞こえてきそうですが、これは別に今に始まったことではありません。

国語や文章を長く教えているせいか、文章が全く読めない子。そして、上手く意味を理解できない子、というのは、一定数存在する現実を良く目の当たりにしてきましたし、その殆どが訓練によって改善されているという事実も知っています。

【助詞の使い方に気を配れない事実】

では、読みとれる子と読みとれない子の徹底的な違いは何かと言われると、助詞。つまり、短い接続の単語。俗に言う「てにをは」の使い方を解っていない事が殆どです。

そして、接続詞の使い方や、自分の読み取りが本当に正しいのかどうかを確認する機会が極端に少なくなっていることが、影響しているだと思います。

【細かい場所に気を配れない】

小論文を指導していると、助詞の使い方が極端に皆、下手です。偏差値70を超える子であったとしても、不思議なほどにルールを使いこなせていない子が居ます。

これぐらい、少しの間違いなんだからちゃんと意味を取ってもらえるだろう。

そんな油断が常に心の中にあるのか。それとも、幼いころに徹底的に直されなかったことが原因なのかは解りませんが、これが中々なおりません。いつもの習慣で、つい書いてしまう。そして、人は自分の書く文章のレベルが自分の判断基準の水準になりますから、書けない子は読めません。これは、簡単な相関関係です。

読めるけれど、書けない子は存在しますが、文章が書ける子で、読解能力のない人間は、存在しません。

短くとも、正確な文を書くこと。助詞や、接続詞の使い方を覚えること。

単純ですが、地味な作業の積み重ねが実力に繋がることは、周知の事実です。

【日々の習慣が思考能力をつかさどる】

一時期、携帯の画面で打った、携帯小説、というものが流行りました。小さな画面で打ち込んでいるので、自然と文章が長く打てなくなるので、短文で多く構成されていましたが、その短文で文章を多く打つ、という事は、逆に言うのならば長文が読めなくなってしまう、という事と相関関係があります。

広いノートや原稿用紙にのびのびと書いている子は、自然と文章も長く書けるようになっていくし、長い文章を書くことで、助詞の使い方も自然と学んでいきます。

そして、ペンを持ち、何かを書くことが極端に少なくなってしまうと、人の思考能力は極端に鈍くなります。漢字などが思い出せない。書けなくなる、というのも、手で書いていないからです。

朝日新聞の調査ですが、地理の問題(メジャーリーグ選手の出身国)の文章は、大体、70文字前後です。これは、多くの国語の問題での記述問題で問われる文章の長さとほぼ同程度であり、殆どの生徒がその文の長さに、途中で止まってしまう長さでもあります。

30文字前後の記述なら書ける子でも、70文字になってしまうと、途端に手が止まってしまうのです。なぜなら、その長さの文を書く練習をしていないから。単純すぎる理由です。

【70文字の壁】

国語の問題、と言うよりも文章のコツですが、一つの内容を説明するのに必要な字数は、20文字から30文字前後と言われています。

という事は、70文字は単純計算で、単純な内容ならば、3つ~4つのポイントを。少し説明が必要な内容ならば、2つのポイントを入れる必要がある、という事です。

一文で構成する場合、どうしても助詞や、主語の切り替え。つまり、副文で構成をしなければなりません。その時に必要となるのが、助詞の存在です。

そして、主語と述語の呼応が対応していないと、文章の意味は破たんしてしまいますが、この破綻した文章を書く子がとてつもなく、多いです。

そして、一番の問題は、自分で自分の文が間違っていることに気が付いていない、という事実です。

この朝日新聞の記事は、それを露呈したものなのではないでしょうか。

【原因探しではなく、改善策を】

読解力の低下の事実は、随分前から言われていることです。

2020年には、センター試験の改定も迫っているこの時期。現実を直視する記事で現状を把握できたのならば、やらなければならないのは原因探しや、能力の低下の犯人探しではなく、どうすれば能力が培えるのか、その改善策です。

言葉、そして文章は全ての思考力の原点です。そして、伝達の道具である以上、身につけて損になることは決してありません。むしろ、プラスになることの方が多いです。

指摘された中高生は、とても気分が悪いでしょう。大人だって間違う人は居るじゃないかと、言い返したいと思います。けれど、その反論も、伝達する技術を身に付けていなければ、無意味です。

この記事を悔しいと感じるのならば、ぜひ、文章能力を身につけてください。そして、見返してください。

記事の内容を鼻で笑い、言いたければ勝手に言っていていろと無視するのも一つの手です。けれど、何かしら悔しかったり怒りや不快さを感じたならば、それが貴方の本心です。

そんなこと、言われたくない! と、ちゃんと気持ちが反応している証拠です。

だったら、学びましょう。

一歩でも前に進みたいなら、現実を受け止めるところからしか、始まらないのだから。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

コメント

This site is protected by wp-copyrightpro.com

タイトルとURLをコピーしました