いじめを乗り越えた先にあるもの いじめ克服までの道 その4

いじめ対策

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

体調を整えるために睡眠が必要不可欠、というお話をしました。いじめの問題解決を行おうとする時、これは御家族も含めてなのですが、皆が皆。緊張状態に陥っています。

「どうにかしたい」

その気持ちが強いために、肩の力が抜けない状態になっているのです。

けれど、冷静になるためには先ず、何より体調です。そうして、相手や学校側に訴えたとしても、学校側は出来る限り穏便に物事に対処するので、次の日からすぐさまいじめが無くなる様な事は有りません。再三再四言っている様に、学校の中は一つの閉鎖された社会です。そのなかで繰り広げられる生活には一定のルールがあり、その状況、環境に慣れてしまうと問題点など感じられない様になってしまうのが人間です。だからこそ、外に出ている時にどれだけ対処することが出来るかが、いじめ克服のポイントになります。

「こんなことをして何になるんだ」

と考えていること自体が追い詰められている証拠です。笑いもせず、楽しみも無い状態で何かしらの困難を克服しろという方が、無理です。戦うためには、先ず身体の調子を整えることが第一。目に見えない精神をどうにかしようとすることは出来ませんが、身体の調子は物理的に目に見えて解るものです。解りやすいものから。そして、効果の出やすいものから手をつけましょう。

食べたいものが思い浮かばない事は、すでに危険信号

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【精神を癒すには、先ず身体から】

強い精神力があれば、身体の不調など吹き飛ばせる、という精神論が日本人は大好きですが、これは大きな間違いです。寧ろ、逆です。

強い精神力があるから身体が動くのではなく、強い肉体。健康的な肉体があれば、精神的な不調を回復させる事が出来るということは、様々な心理学の実験から証明されています。

私達は、

嬉しいことがあって笑顔になる、と同時に、笑顔になると、幸せな気分が沸き上がってくる。

自信があるから姿勢が正しい、と同時に、正しい姿勢を取っていると、自信が溢れてくる。

不安だから身体を丸めて猫背になっている、と同時に、猫背になると、自信が無く、失敗するのではないかと常に不安に襲われる。

人間は、相互作用で成り立っているのです。

常にしかめっ面をし、猫背で、溜め息を吐きながら身体を動かさず、更に昨日書いたとおり、これに睡眠不足が加わればどうなってしまうのか。

相乗効果で、暗い雰囲気を引きずった青白い顔の、常に人に何かを言われるのではないかと怯え、不安に苛まれ続けている状態で、気分の浮き沈みが激しく、躁鬱を繰り返し、マイクロスリープ現象が引き起こされる事で事故に遭いやすくなる。

これでいじめと戦え、などと言っても無意味です。寧ろ、事態は余計悪くなります。

いじめを克服するためには、必ず相手と対峙しなければならない時が来ます。それをボロボロの状態で戦うことが、どれだけ愚かな事なのか。きちんとした冷静な思考と、落ち着いた精神状態、ショックにも堪えられるだけの健康的な身体を持った状態で立ち向かうことが、どれだけ生産的であるのか。

先ず、身体を整えてください。話は、それからです。

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【食事をしっかり取る】

身体を整えるために必要なもの。睡眠の次は食事です。

先ず、あなたは三食きちんと食べているでしょうか? 量は大丈夫でしょうか?

いじめられている子と言うのは、がりがりに痩せているか、ぽっちゃりと太っているか、そのどちらかに偏ります。いじめられる前は健康的な肉体でも、人と話せず、孤立している状態になると、人は途端に動けなくなります。休日に外に出ることも無く、誰かに見られたら……と常にストレスを抱え込んでしまうために、自分の好きなことすら外で出来無くなってしまいます。

そして、出来ることと言えば部屋で出来ること。ゲームやネット等に依存するようになり、動かないからお腹が空かず、きちんとした食事を取るよりも、ジャンクフードに手を出す様になり、だらだらと食べ続けることが多くなります。

ジャンクフードでも、まだ食べたいと思うのならばマシです。

問題は、この時、食べることすらやる気が起きなくなってしまうと、食事に興味すら沸かなくなり、やせ衰えていきます。痩せている子の方が、重度です。食べることは人間の基本に根ざしていますから、それを放棄することはゆっくりと自分自身を殺している行動と同じです。生きる気力自体が無くなっている表れが、食欲が無いことにサインとなって表れている事に気が付いてください。

極端な話、いじめられている子はそれ以外の人との接触を限りなく少なくしようとします。これは、御家族も同じです。

何故ならば、彼らはいじめられているだけで辛い状況にあります。けれど、ご両親からしてみれば急に子供が一人部屋に閉じこもる様に成り、青い白い顔をして、学校に行くことに難色を示す様な状態になってしまったら、何とかしなければと必死になるでしょう。最短の時間で問題解決を試みようと、話を本人から聞こうとします。

けれど、この時。話を聞かれる事。質問をされる事自体が、本人にとっていじめられている経験を思い出すことになり、辛くなってしまいます。寝ても、食べても居ない。そんな不安定な状況で追い立てられるように質問されれば、まるで自分が責められている様な気分になってしまい、心を閉ざしてしまいます。

暴言や人からの敵意に晒され続け、本人は自尊心がボロボロになっています。ただでさえ、いじめを受けたことで自分を責めています。人に対しても不信感が強く、こんなことになったのは自分が悪かったのだろうかと責め続けている時に、誰かを信頼する事など出来ません。

本人は、周囲が思う以上に傷付き、自分が悪いのかもしれないと思い込んでいることが大半です。

だからこそ、立ち向かえる体力と精神的安定。そして、人を信頼する気持ちを回復させるために、食事を取る様にしてください。

出来るだけ、一人では無く、家族や友達と共に。

引きこもっているのならば、いきなり外に出るように促すよりも、好きな食べ物や楽しいことで興味を惹いた方が得策です。

【人は鏡 リラックスさせたいなら、先ず周りがリラックスをする】

大抵、いじめを受けている子を助けようと頑張っている周囲の人達は、全ての人が緊張状態です。

どうにかしたい、助けたい。けれども、そうやって神経を張り巡らしている時、周囲もその緊張が伝わってしまいます。それを続けていると、お互いが疲れてしまいます。リラックスさせたいと思っていても、そうやって神経をぴりぴりさせていることが、却って悪影響を及ぼしてしまいます。

なら、どうすればいいのか。

相手を笑わせたいのであるのならば、先ず自分が笑ってください。

人の幸せや幸福感は伝播します。リラックスもそう。皆がリラックスしている状況だと、釣られてリラックスしやすくなります。

沢山美味しそうに食べる人の傍にいると、釣られて食べてしまう事ってありますよね。それと同じです。健康的な食事をさせたいのならば、先ず家族が健康的な食事を楽しそうに食べること。

もし、食べたい。けれど、食べられないといじめを受けているあなたが思うのならば、食事を美味しそうに食べる人の傍に行ってみてください。

それだけで、食べられるようになります。

【悪い風に思考が傾くのは、夜の空腹時】

悲しいことに、自殺者の多くは夕方から夜に掛けて。しかも、空腹時に自殺をしてしまう事が多いことが解っています。空腹であるということは、それだけで精神が不安定になりがちになってしまうのです。

だからこそ、精神的な安定を手に入れたいのならば、家族や友達と食事を出来るだけ取る様にする。最初は好きなもの。食べたいものを選んでください。そうして、いじめの事を話すよりも、自分の好きなことを話してください。

気になる話題が無いのならば、映画や漫画など、ストーリー性のあるものを楽しんだ後に感想を話し合ったりするだけでも良いです。

そして、いじめの事を話題にするのならば、時間と状態を確認し、チェックリストに一つでも不備があるのならば、日を改めてください。

・8時間の睡眠を一週間連続できちんと取っている。

・3食、自分の好きなものを食べる。この時に、出来る限りジャンクフードは避ける。お勧めは、魚、卵、豚肉、鶏肉、玄米、野菜です。お菓子なら、カカオ成分70%以上のブラックチョコレート。アーモンドやくるみなどの種子類です。袋菓子はこの時ばかりは避けてください。

・朝、天気の良い日に窓を開け、可能ならば緑の多い公園を散歩する。

この3つを満たしている時に、いじめの話をしてください。勿論、本人が話をしたいと思っているかどうか。話したくないと言うのならば、その意志を尊重し、未来の事を。将来のことを。若しくは楽しい事を話す様にしてください。

【基本的なことが全ての解決方法】

寝て、食べる。たったそれだけのことなのですが、この基本はとても当たり前のように行われているだけに、誰もが軽んじてしまう部分です。そして、そんな不安定な状況で戦おうとしても、無理です。

何かを乗り越えようとするのならば、基本が一番。

勉強も何もかも。足元がぐらついている状態では何にもなりません。だからこそ、先ずそこからです。

安心出来る場所。そして、健康的な精神。元気な肉体。それを手に入れる為に、食事と睡眠を心がけてください。少なくとも、1週間。続けてみてください。

傷付いている自分にそれ以上鞭を打たず、優しくしてください。

怪我をしたら、先ず傷の手当てをしますよね。いじめの手当ては、睡眠と食事。そしてリラックスです。

戦うのは、傷を癒した後。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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