『残酷な世界』~あなたの文は最後まで読まれない その3~


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勝利
勝つためには、闇雲にやっても、無駄。

こんにちは、文LABOの松村 瞳です。

 

【この世は残酷】

あなたの努力は、相手に評価される事は無い。この、とっても酷い事実。特に、これは能力値が通常よりも上。小・中学校ならトップ。進学高校なら、中間層の子達が受け入れ辛い傾向に有ります。

けれど、だからこそ。この事実を受け入れた人間は、本当の意味で抜きん出ます。広い視野と思考。そして、自分の考えとは違う意識を持った人たちが存在する、という、一つ先の思考力を手に入れる事が出来る。

世の中は思い通りになど進まない。だからこそ面白い、と思えるかどうかが、大きなカギとなります。

 

【事実をあるがままに受け入れる】

 

「その1」 「その2」で、現実の辛い側面をお伝えしました。ですが、ちょっと考えてみてください。その残酷な現状でも、受かる人。つまり、読み捨てられずに残る答案。選ばれる答案があるのです。

 

そして、もうひとつ。受験、就職試験、スピーチ。ありとあらゆる文章は、最初に触れる数秒間。つまり、冒頭に全てが掛かっている、という事が解ります。どんな文章でも、最初は必ず目を通してくれるのです。スピーチも、最初は耳を傾けてくれるのです。ならば、そこに注意を払うのが当然の戦略となってきます。

【あなたの文章をチェックしよう】

 

簡単な文章チェックです。何でも構いません。何かしらの、出来るのならば他人に読ませる為に書いた文章を手許に用意して下さい。作文、読書感想文、評論、小論文、プレゼン資料、説明文。挨拶文。何でも構いません。

そして、蛍光ペンを手に持って下さい。出来るだけ、派手な色の方が良いです。それから赤ペンも準備したら、チェック開始です。

やることは二つ。

一つ目は、あなたの文章で、「思う」「感じる」「考える」のこの三つを文末に使っている部分があったら、その単語を塗ってください。

 

それが終わったら、今度は二つ目。赤ペンに持ち替えてください。あなたの文が、原稿用紙で三行以上。文字数にして、60文字以上になっている文があったら、その文を全て囲ってください。

どうでしょうか? あなたの目の前に有る紙は、今、白いでしょうか?それとも、派手な蛍光ペンと、赤い線だらけに成っていないでしょうか?

白い方。合格です。素晴らしい。文章の量にもよりますが、大抵1作品に対して、この三つの文末は使用していい分量は一度か二度までです。それぞれに対して一回ずつ、ではなく、全体で、二度までです。それ以上は、読者に大きな不快感を与えます。

更に三行以上。文字数にして、60字以上、というのは、余程気を付けない限り、主語述語のねじれが生じてしまう可能性が高い文字数です。長文は、基本的に読者に負担をかけてしまいます。短文ばかりで構成するのが良い、と言いたいわけではありませんが、プロであったとしても、長文はさけます。

注意深く、教科書や問題文を読んでみてください。よーく見れば、長い文章の数が少ないことに、気付くはずです。

【「思う」は、使い過ぎるやっかいな言葉】

 

これらは簡単なチェックですが、やってみるとほぼ全ての文末に「思う」「感じる」「考える」を使っている生徒たちばかりです。しかも、彼らは言われて初めて気が付くんです。ああ、使っていた……と。

この三つの文末は、日本語を書く上においてとても便利な言葉なのですが、便利であるがゆえに、使い過ぎてしまうのです。そして、使い勝手のいい言葉は、読み手にとってはうんざりするぐらい何度も読む言葉になってしまう。知らず知らずのうちにストレスを与えてしまうんですね。

たとえば、『中学生のSNS使用について、あなたの意見を書きなさい』、という課題作文で……

僕は、中学生にはSNSの使用をしない様にした方が良いと思います。みんながやっているし、面白いと思いますが、使い方を間違ったらネットの犯罪に巻き込まれてしまうと思うし、勉強の時間が取れなくなると思うからです。それに、長時間スマホの画面を眺めていると目も悪くなると思います。だから、僕はSNSを中学生が使う事は、やめた方が良いと思います。

一見、良さそうなんですが、「思う」が何回使われているでしょうか。この短い文の中でも、六回です。しかも、全ての文末に使われています。

これを修正すると……

 




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僕は、中学生のSNS使用には反対です。何故なら、貴重な僕らの時間を奪っていくからです。確かにSNSは魅力があります。友達も沢山使っていますし、見たい気持ちもありますが、使い方を間違えば、犯罪に巻き込まれてしまう事もあります。楽しさのあまり、勉強の時間も減ってしまうでしょう。画面の見過ぎで、目が悪くなってしまうかもしれません。だから、僕はSNSを使用しません。

 

さて。貴方はどちらの子を、合格させますか?どれだけ、印象が違うでしょうか?「思う」を文末に使わなくとも、文はきちんと書けます。語彙を増やしたいと思っている人が居るのならば、まず、文末から「思う」「感じる」「考える」を全て排除してみてください。

最初はかなり困るはずです。生徒の中には、悶絶する子も多々居ます。言葉が出てこなくて、身悶えるように苦しむんですね(笑)そして、どうしても思い浮かばないからと教科書や本を渡すと、食い入るように書いてある文章を読み始めるのです。

そう。困って初めて、人は他者の文の表現を見るんです。何処かにヒントは無いか。人はどんな文章を書いているんだ、と。

プロの文章というのは、やはり洗練されていて、静謐さがあります。「思う」「感じる」「考える」この三つの言葉を使用している人は、極端に少ない。そして、私達が日常的に接している文は、この極端に少ない文章なのです。

【人は辛い時ほど楽な方向へと進んでいく】

 

試験官の立場になって、考えてみましょう。沢山の文章を読むのは、得意な人間であったとしても、重労働です。しかも、責任は重大です。選ぶ側も、必死です。優秀な人間を取りたいのは、寧ろ学校や企業の本音の様なものでしょう。それを、たった数時間で精査していかなくてはならない。積み上がっていく答案やエントリーシートの中で、不快なモノが連発した後に、ふと心地良いリズムの文章。不快感の少ない文が目に飛び込んできたとしたら。不快さが和らぐ様な、解りやすい、楽に読めるものが目に映ったとしたならば。あなたが試験官だったとしたら、読みやすい文章。ストレスの少ない文章を、思わず先まで読んでしまうのでは無いでしょうか?

人は、疲れ切った時ほど楽な方向に流れていきます。それは試験官であろうとも、どれだけ頭の良い人間であったとしても、同じです。ならば、九割の答案は数秒で読み捨てられる現実を理解したうえでその疲れ切った試験官の心理を逆手に取りましょう。彼らの苦痛を、取り除いてあげるのです。

そうすれば、あなたの勝利は確実です。

ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。






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