小説読解 太宰治「走れメロス」その2~具体的な数字で考える大事さ~


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こんにちは、文LABOの松村瞳です。

「走れメロス」読解2回目。

誰もが学校で一度は読んだことがある太宰治の「走れメロス」。

文学作品が難解であることは度々あることですが、難解な文章だからつまらないのではなく、つまらないものに当たった時、「何故これは自分にとって面白くないのだろう」「何故、感動的な作品とこれが評価されているのだろう」と、謎を解く切っ掛けを与えてくれるものだと思えたら、しめたものです。

難しいものは、殆どの人が読解を諦めます。なら、少し理解をするための工夫をして理解できたとしたならば、難しいものが課題としてくれば来るほど、能力が高まることになります。

ほんのちょっとの工夫。そして、解らないものに対しての興味関心を持って、少しだけ観察能力を高めてみてください。その観察能力は、育てばとても大きな力になります。

本を読む力はあなたの進み道を照らす明かり

今日は、ほんの少し。数学的にこのお話を読んでみましょう。
数学、と言ってもほんのちょっとです。多角的にいろいろなものが使えるようになると、多くの物が手に入ることになりますよ。

【文章ではなく、数字を使って考える】

正義感の強いメロスは王を怒らせてしまい、処刑を言い渡されます。けれど、妹の結婚式をどうしても見届けたいと願いを出し、友人を身代わりにすることで、三日間だけ時間をもらい、故郷に帰って返ってくる約束をします。

自分が死ぬために。そして、友を助けるために彼は走ることになる。

さて、じゃあ、メロスが走った行程とは、どんなものだったのか。

本文には、夜通し走り続けた、とあります。

前半で走っているシーンの代表的なシーンですよね。けれど、冷静に数字で考えてみましょう。

王の居る城は、街の中です。

その街まで、10里の道のりを歩いてきた、と小説の冒頭で書いてあります。舞台はイタリアのシチリア島となっていますが、代表的な都市のローマは、古代史では紀元前から帝国として栄えた世界の中心地です。

街道はとても丁寧に整えられていて、宿場町も完備していたことから、山の中を歩かなければならない。道無き道を行く、と言う事ではおそらくなかったでしょう。

では、具体的に10里とは、どれくらいの道のりなのか。

里という単位は、国によって若干ズレが有るのですが、教科書に載っている注釈では、

1里=3.9キロ。

つまり、10里=39キロ。フルマラソンと同じくらいの距離と考えれば、分かりやすいと思います。

大体、フルマラソンの記録って、2時間半から3時間の間ですよね。もちろん、スポーツ選手並みの速力をメロスが持っているとは仮定出来ません。ですが、1つの目安にはなるかと思います。

で、かかった時間ですが、真夜中にメロスは城を出発しています。

そして、一晩中走り続けて、村に着いたのは『日がすでに高く』と表現があります。

初夏のイタリアの日の出は、5時30分くらいです。

ここで、この時間をどうとるかが微妙になって来るのですが、ヒントはメロスが帰ってきた時に、村人たちは既に働いている事です。

現代でも、早朝からせっせと働くのはアジア系の人の特徴。

南ヨーロッパでは、大抵みなさま午前中はゆっくりと時間を過ごします。そこを加味して考えると、おそらく10時ごろなのではないかと仮定して、計算をしてみましょう。

【メロスはどんな速さで走ったのか】

道のり÷時間=速度、です。

道のりは約40キロ

時間は10時間




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となると・・・あれ???

時速、4キロ・・・

時速で雰囲気が解らないなら、分速に変換してみましょう。

4キロ÷60分=66.6….

1分間に、66メートル・・・・

皆さん。100メートルのタイムって、何秒でしたか?1分以上かかる人って、いらっしゃいますかね?(因みに学年最下位だった私の記録は、100メートル22秒です。ええ、本当に。)

メロスより速いよ!!(おい!)

じゃあ、少し時間を短めに考えみましょう。日が既に高く、となると既にもう空高く、とのことてます。だから、思いっきり早く考えて、7時だとします。

40キロ÷7時間=5.7キロ/時

時速5.7キロ。

同じように分速に直してみましょう。

5.7÷60分=97メートル・・・

1分間に97メートルです。

あれ??あれれ??

歩いて・・・る?

一応夜通し走り続けたと書いてあるので、それを踏まえて考えると、とてつもなく遅く走って(歩いて)いたということに・・・

文章だけで考えると、必死に走ったと考えがちなのですが、実際具体的に考えると、違った見方が出来るものです。

勿論、メロスが必死に友を助けるために行動したことを否定したい訳ではないのですが、そうやって読むと、文章を冷静に読めるのですね。

それって、国語の問題を解く上でとっても大事な要素なんです。

【国語の問題を解くためには感動とは別のベクトルが必要】

小説は、心を動かす物語を楽しむものです。

けれど、問題を解く、という事になると、冷静な視点が必要になってくる。それには、観察能力が必須になります。

だからこそ、感動は一先ず横に置いておいて、冷静に指摘できる部分を残してみてください。そうすると、色々面白いことが出来るようになってきます。

明日は、見方を変えるとメロスは狂人?

な、エントリーです(笑)

ここまで読んで頂いてありがとうございました。






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