今からでも間に合う 古典文法習得術 超基礎編 その1

古典文法

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

今回は、皆大っ嫌いな古典文法。

文法解釈って、はっきり言って迷路ですよね。

長らく国語を教えていますが、古典文法が好き!! という生徒に出会ったことがありません。(笑)(居たら、ごめんなさい)

何でこんなにややこしいんだよっ!! と、吐き捨てたくなる気持ちも、まぁ解らなくはありません。現代語でも、文法ってややこしいですものね。ただ、高校受験の場合は、品詞分解と助動詞の意味わけ程度でなんとかクリアできるのですが、大学受験の古典の場合、文法が理解できないと訳にも影響が出ますし、何よりも古典を勉強する意欲ややる気が恐ろしいほど殺がれます。

読めない子は、一行読むだけで、「はぁっ……」という溜め息が聞こえてきそうなほどにつまらなさそうなんですよね。

英語も、文法が解らなくなると一気に理解が出来なくなってしまいますが、ある程度なれてしまえば「ああ、これか」という感じになっていきます。

まずは、慣れること。

そして、慣れるためには、ほんの少しでも解るものを作ること、が目標です。

ポイントは、一気に全てを解ろうとしない事です。

これは、進学校の生徒だと良くありがちなんですが、中学時代は解らないものがなかった状態を皆経験してきています。解らなくとも、少し頑張れば理解できた。(この少し、というのが曲者です。)なので、最初は頑張れるのですが、少し理解できても果てしなく続く状態に、戦意喪失してしまう事が最大の問題になります。

大丈夫。解らないなら、その場で覚えればいい。覚えられるまで、何度も見ればいいだけです。何せ、古典って、ずっと付きまとってくる。だったらクリアしてしまった方が楽です。

早いうちにクリアしてしまうと、それが当然のように使えるようになるから、困る必要性がありません。一番は、無理をしない事。そして、覚えようとしない事です。

目指すは、自然と勝手に覚えていた、です。

だって、私たち。文法なんか知らなくても、日本語理解できていますよね。その状態を目指せばいいだけの話です。文法は、古典文を理解をするためにとっても役立つヒントの山です。これを使いこなさない手はない。

文法は簡単。

まずは、嘘でもいいので(本当なんですが……(笑))そう、言いきってみてください。文法なんて、クイズです。はい。

では、始めます。

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【基礎の基礎 古典動詞の活用形】

まずは、動詞の活用形です。

日本語の文法は、末尾変化が基本的に6種類。

英語の現在形での末尾変化って、三単現の-s,-esと、進行形の-ing形の2種類のみなので、多く感じますがこれは中学校の時にやっているので、然程難しくは感じないと思います。

現代語だと、未然、連用、終止、連体、仮定、命令の6種類が、

古典だと、未然、連用、終止、連体、已然、命令に変わっています。

じゃあ、仮定が已然なの? という質問もあるのですが、已然に仮定の意味はありません。

未然の反対が已然、と思っておいてください。

未然=まだ、そうなっていない状態。(~ず、と打ち消しの言葉が付く変形)
已然=既に、そうなってしまった状態。(~ど、など、「そうであるけれども」という逆説の言葉が付く)

の意味で、ざっくり覚えましょう。

さすがに、この活用形だけは完璧に覚えてもらいます。中学生の時にも覚えさせられたと思うでしょうが、ぶつぶつと指折り数えて、暗唱してください。30回もつぶやけば、頭に入ります。

で、それと同時に覚えてほしいのが、この活用形の意味。

【文法の名前にも、意味がある】

無意味なものに、名前は付きません。

それに何かしらの名前が付いている、という事は、そこになにがしかの意味があるという事。それを無視して進むと、意外に後で足かせになります。(あれですね。皆、学校の先生にあだ名付けますよね。可愛らしいものから、えぐいものまで多種多様に。それって、その先生の立ち居振る舞いや、言動、身体的特徴から取ってきているはずですよね。名前って、そういう事です。それを名付けられた意味が、ちゃんとあるんです。)

-未然形-

では、未然から。

これは、とっても簡単です。漢文調に再読文字で読めばいい。(再読文字の説明……また、今度漢文でやりますね)

レ点が間に入っていると思って、「未だ然かず」つまり、出来ていない状態を指します。だから、続く言葉は、「~ず、~む」が付くように、変形させればいい。

「聞く」という動詞だったら、「聞○ず」の間に、どんなひらがなを入れますか?
「聞かず」ですよね。この「か」が、変形の言葉になります。

なので、未然形だったら、取りあえず「ず」を付けてみる、で大丈夫。

外国人ならその変形も含めて覚えなくちゃいけませんが、私たちは日本人です。古文は高々1000年前の人々が使っていた言葉で、全く知らない言語ではありません。後ろにつく言葉さえ解っていれば、あとは勝手に頭が答えをはじき出してくれます。なので、活用形の後に続く言葉を覚えるのが必須です

-連用形-

次は連用形。

何で二つ目が連用形なのか。これを分解して読んでみます。

連用形=用言に連なるもの、と読めます。

用言は、日本語の中で述語にカテゴライズされるもの。動詞、形容詞、形容動詞、です。

それ以外に、助動詞や助詞が繋がる場合もありますが、下が動詞とか形容詞に繋がる場合が、連用形なんだな、と漠然と覚えください。

この連用形に繋がる形として覚えてほしい末尾が、「~たり」です。

「聞く」という言葉に、「~たり」を付けたら、どうなるか。

「聞きたり」になりますよね。

-終止形-

言わずと知れた、文末の終止の形。続くものがない、基本形です。

ここで面白いのが、日本語の動詞の場合、必ず終止の場所が決まってます。帰る場所が全部一緒なんですね。共通項って、素晴らしい。理屈を知ると、覚えなくていいのが最大の利点です。考え方さえ理解すれば、後はひっぱりだすだけです。これをせずに覚えようと思っても、無駄。歴史なんかがこれの典型ですね。理解が先。暗記は、後、です。

文法用語の基本は、五十音表です。

ひらがなの、一覧表。小学校の時に、やりましたよね。あれの、縦と横に、文法では名前が付いています。

縦の区切りが、行。(あ行、か行、さ行、た行、な行……と、続きます。)

横の区切りが、段。(a段、i段、u段、e段、o段の五種類)

動詞の場合、この横の区切りのU段で、必ず終止形になります。

なので、終止形を考える時、それが動詞の場合。以下の考え方をします。

例示 「聞かず」の終止形を考えようとすると……

末尾の「ず」を排除。そして、「ず」の上にあるひらがなに注目します。この場合、「か」です。

「か」は、ひらがなの五十音表では、何行になるのか。そのまんま「か行」ですよね。
か行の構成は、「か、き、く、け、こ」の五種。

その中で、真ん中のU段に当たるひらがなは、「く」となります。

なので、終止形は、「聞く」となる。

そんなの、説明されなくとも解るよっっ!!と、お思いの貴方。はい、解ります。超基本です。当たり前のように解るところからやってます。

けどね、この考え方。応用になってくると、皆すっかり頭から抜け落ちるんですよ。不思議なことに。出来て当然のことをすっ飛ばすのではなく、出来て当然のものがどうしてそうなっているのか。それを確認してほしいのです。

何故なら、難しいレベルになっても、この考え方は一緒だからです。複雑に思えるのは、記憶でどうにかしようとしているのからです。考え方さえ同じ道を通れば、必ず結果にたどりつけますが、そこをひとっ飛びで行こうとしても、こけるだけです。

急がば回れの精神で。文法は、早く理解しようとした者が負けます。

続きは次のページ

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