小説記述問題のコツ ~感情の意味を知る~ その2「困る」

用紙 テスト対策
友達に話すように、書いてみよう

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

昨日に引き続き、記述対策です。

中学生でも高校生でも、記述に必要な能力は、言葉の裏側をきちんと考えて、把握しておくこと。それをひとつひとつ、積み上げると記述の基本が解ってきます。その感情がわき上がるための、経緯。つまり、過程を書いていくだけなんです。

ああ、困った……それって何を考えているからでしょうか?

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【困る、とはどういう状況か】

まず、「困る」ということについて考えてみましょう。

困るとは、別の言い方をすると、「迷う」と良く似ています。

選択肢が複数あって、その中のどれを選んでいいのか、解らない。けれどもそれだったら、「迷う」と言ってしまえば良いだけの話。

「迷う」と「困る」の明確な違いは、選択肢を選んだ後の状況によって、変わります。

迷っている時。例えば、おやつを食べようか、食べないでおこうかと迷った時、どちらを選んだとしても、貴方はその選択でその後の環境や状況が劇的に変わることは、想定しにくいです。

どちらを選んだとしても、その後の環境・状況共に変化が訪れることはない状態で、選択肢を選ぶことを、「迷う」

なら、「困る」は、その選択肢のどれを選んだとしても、自分の状況・環境が悪い状況になる可能性があることを言います。

「迷う」が、未来に対する利益を重視して選ぶ言葉に対して、「困る」が、どれを選べば、未来の不利益が小さく済むだろうかと選択する言葉だと理解しておくと、解りやすいかも。

【それぞれの利益・不利益を考える】

「困る」は、どれを選んだとしても、不利益が生じる選択の言葉です。

なら、考えなければならないのは、主人公が困っているのだと文章から判定出来たとするのならば、まず、何で迷っているのか。その選択肢を考えます。

大抵の問題で取り上げられているのは、二種類です。

やるか、やらないか。

行くか、行かないか。

伝えるか、伝えないか。

逃げるのか、立ち向かうのか。

大抵は、相対する反対の選択肢で悩んでいます。

そして、記述に必要なのは、それぞれの分析力。

その選択肢を選んだ時、生じる利益と不利益をそれぞれ考えるのです。それを選んだ時に、どんな酷いことが起こるのか。自分にとって嫌なこと。不快な事が必ず起こる。けれど、その不利益な事と引き換えに、何かしらの利益もちゃんと手に入れられるのです。

だからこそ、「困る」

利益を取るか、不利益を取るか。

どちらがより良いのか。どちらがより痛くないのか。それで、困る。選択に、悩んでしまう。

その背景が材料として集まれば、後は簡単です。

【記述のパターン】

1.まず、一つ目の選択肢Aを取る理由を書きます。

2.その後に、Aを選んだ時の不利益を書く。

3.そして、もう一つの選択肢Bを取る理由を書く。

4.Bを選んだ時の不利益を書き、

5.どちらを選んでいいのか、悩んでいる。迷っている、困っている、とまとめる。

それだけです。これを過不足なく、文法間違いなく、書けばよい。

難しいことはありません。これで十分、60~90字くらいは埋まりますし、状況や環境の補足を入れれば、150字くらいまでは、ちゃんと埋まります。

材料を整えることが、記述にはとても大事だと書いていますが、計画を持って書きましょう。無計画に、ただがむしゃらに書いても、時間の無駄です。効率の良いやり方を選択してください。

 

【具体例】

ここで、恒例の具体例。

毎回、私は具体例を上げる時に使うのは、アニメです。良く登場するのは、「ドラえもん」と「サザエさん」と「アンパンマン」。

誰もが知ってるし、イメージが付いているので、理解しやすい。理解しやすい物で例示を作ってみてください。これが上手くなると、面白いぐらいに国語が解けます。

今回の「困る」を「ドラえもん」で喩えてみるのならば……

のび太がジャイアンとスネ夫に声をかけられます。
今日の放課後、空き地で俺のリサイタルをやるから、お前も来いと。自慢の歌声をたっぷり聴かせてやるというわけです。

ここで、のび太がとる選択は、

A→行く。

B→行かない。

という、二つ。

それぞれ、利益と不利益を挙げていきましょう。

Aの利益は、もちろん、行けばジャイアンがご機嫌になることです。ご機嫌なジャイアンは、のび太を殴りません。暴言やいじめも、ちょっとはなくなるはず。これは、のび太にとっては大きなプラスです。

けど、不利益は?

そう。ジャイアンのリサイタルです。ジャイアンは超絶音痴設定。何せ、その歌声で窓にひびがはいるくらい、酷いもので、大抵聴いているシーンはみんな耳をふさいでいます。ある意味、凄いよな。ジャイアンの歌声……どんな人でも、窓にひびがはいるなんて不可能だと思うんだけど……という、馬鹿な話は横に置いておいて、その歌声に長時間耐えなければならない。はっきり言って拷問です。耐えがたい時間です。

なら、Bの選択の利益は、ジャイアンの歌声を聴かなくて済む、ということ。すっごく単純です。時間も拘束されないし、のび太は自由です。

けど、不利益は?

行かない、なんて言ったら、ジャイアン、怒りますよね。物凄く怒りますよね。そして、大抵殴りますよね。のび太を。

ぼこぼこにされるのが解っているのに、行かない、なんて言える勇気。持てるのならば、のび太はいつもドラえもんに泣きつかないはずです。(笑)

なので、解答例は……

ジャイアンの誘いに乗り、リサイタルに行けば殴られずに済むけれど、耐えがたい歌声を聴かされる苦痛を我慢せねばならず、かといって行かないと告げれば、リサイタルの苦しみからは解放されるけれど、怒ったジャイアンに殴られるかもしれないから、どちらを選べばいいのか、「困っている。」

という、解答になります。

是非、使ってみてください。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

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