小説読解 太宰治「走れメロス」その6~復路のメロス 油断大敵の末路~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 メロスの解説を書き始めた時にはこんなに長くなると思っていなかったのですが、気が付けばシリーズとして最長になりそうな予感がします。それだけこの走れメロスって突っ込みどころが多すぎなんですよね。 詰まらないどころか、一つ気が付くと「また??」って思うぐらいいろんな角度から見れて、毎年生徒に解説するたびに様々なことに気が付けるものです。ある意味、太宰の掌で踊らされている孫悟空のような気分ですが、この突っ込みどころの多さ。絶対に確信犯でやっているだろうなと、思ってしまいます。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その5~巻き込まれた友人と言う名の被害者~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 今回は、メロスの命題にもなっている友情について、です。 人を疑わず、相手を信じる。それはとても尊いことです。けれども、無条件に信じることが本当に良いことなのか。良いと言い切れる人も居るでしょうが、太宰はこの物語を通じて、ディオニス王が述べたとおり、口先だけではなく、真実相手を信じるということは、どういうことを指し示すのかを、私たちに問いかけているように思えてなりません。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その4~二項対立を読み取る~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 皆さま、推理小説お好きでしょうか? 古今東西、様々な名探偵が小説の中には存在しますが、彼らが物語の中で共通して行っていることがあります。推理をしているのは当然として、彼らが何をしているのか。そして、熱烈な推理小説ファンも、同じ行動をとりながら小説を読みます。… 続きを読む

小説読解 中島敦「山月記」解説 その3~人の心に棲む獣の正体~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 山月記三回目です。今回は、テストで必ずと言っていいほど記述を問われる部分であり、また、人間心理を鋭く突いた部分の解説となります。 ここを理解できると、あれほどプライドが高く、鼻持ちならなかった李徴が、本文を最初に読んだ時に抱いた感情が変化していくことに気が付けます。それは、なぜか。… 続きを読む

小説読解法 中島敦「山月記」解説 その2~人の心を動かすものとは~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 「山月記」その2。人の心を動かすものの根幹とは何なのかについてお話します。 これは、小説にも言えることですが、芸術全般。創作をする人たちにすべて通じる真理です。それを物語の中で浮き彫りにした中島敦は、本当に稀有な小説家で、彼がもっと生きる時間を与えられていたのならば、もっとたくさんの素晴らしい作品を生み出したことでしょう。… 続きを読む