小説読解 志賀直哉「城の崎にて」その3 ~自分の死の瞬間は、どのように迎えたいか~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 死に親しみを感じている主人公の私。特に主人公が親しみを感じているのは、「死」の静けさです。静かで、停止しているのが良い。その静かに、動かない事が寂しいのだけれども、何となく気持ちが安らぐような気がしてしまう。 自分の命が危うくなる事故を経験した後、劇的な変化は訪れはしなかったけれど、「死」というものに対して、敏感に、そして惹かれて行く主人公。特にその静けさに惹かれるのですが、今回の読む部分は、この主人公の望む、静けさとは真逆の、死の「苦しみ」の部分に、焦点が当てられていきます。… 続きを読む