小説読解 太宰治「走れメロス」その11~まとめ 太宰治の人間性~

皆さま、こんにちは。文LABOの松村瞳です。 長々続いた「走れメロス」。道徳的な読み方とは程遠い読み方や解釈をしていますが、不思議と皆。この小説で良い点を取ってきています。多分、興味津々でこの解釈を聞いた後に学校の授業を受けるからでしょうが、さらっ、と流されると気が付けない部分も、自分の興味が惹かれる場所が沢山あると、耳が反応するんですよね。 とってもかったーい、道徳の授業だと皆、求められる答えは解っているけれど、それと人間の本来の姿は違うと薄々気が付いています。だからこそ、友情や信頼などは尊いことだと、誰もが解るようなことを言われても、何にも反応なんかしません。精々が、「あっ、そ」と冷めた瞳で眺めるくらいです。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その7~人間の真理 疲れている時は約束を守れない~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 メロスも7回目。 良くこれだけ語る部分があるなぁ……と自分でも呆れているのですが、文学作品ってそれだけ内容が濃いのです。現代作品が薄い、と言っているわけではなく、人間の根幹を抉り出そうとし、厳しい読者の目に晒されてなお現代に残っている作品というのは、それだけ人の心を動かす要素があったということです。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その6~復路のメロス 油断大敵の末路~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 メロスの解説を書き始めた時にはこんなに長くなると思っていなかったのですが、気が付けばシリーズとして最長になりそうな予感がします。それだけこの走れメロスって突っ込みどころが多すぎなんですよね。 詰まらないどころか、一つ気が付くと「また??」って思うぐらいいろんな角度から見れて、毎年生徒に解説するたびに様々なことに気が付けるものです。ある意味、太宰の掌で踊らされている孫悟空のような気分ですが、この突っ込みどころの多さ。絶対に確信犯でやっているだろうなと、思ってしまいます。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その5~巻き込まれた友人と言う名の被害者~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 今回は、メロスの命題にもなっている友情について、です。 人を疑わず、相手を信じる。それはとても尊いことです。けれども、無条件に信じることが本当に良いことなのか。良いと言い切れる人も居るでしょうが、太宰はこの物語を通じて、ディオニス王が述べたとおり、口先だけではなく、真実相手を信じるということは、どういうことを指し示すのかを、私たちに問いかけているように思えてなりません。… 続きを読む

小説読解 太宰治「走れメロス」その4~二項対立を読み取る~

こんにちは、文LABOの松村瞳です。 皆さま、推理小説お好きでしょうか? 古今東西、様々な名探偵が小説の中には存在しますが、彼らが物語の中で共通して行っていることがあります。推理をしているのは当然として、彼らが何をしているのか。そして、熱烈な推理小説ファンも、同じ行動をとりながら小説を読みます。… 続きを読む