こんにちは、文LABOの松村 瞳です。
【文章が読まれるはずという甘え】
-学校の提出物と受験の違い-
昨日の【残酷な世界 その1】の内容は、理解は出来ても、すぐには納得いかないものでしょう。
そんなことない。
先生はちゃんと毎日、私達の日誌や日記を読んでくれているもの!!と、考える人も居ますよね。(あれ、毎日本当に大変だと思います。先生が過密労働だというのは、ちょっと想像力を働かせれば。そして、それに具体的に数字を入れて考えれば、簡単に想定出来てしまいます。気になる人は、具体的に計算してみてください。どれだけ学校の先生方が苦労して時間を作ってくださっているか。そして、学校の授業時間もプラスすれば、その時間の無さが解ると思います)
学校の先生が毎日読んでくれているのは、あなたの事を知りたいからです。毎日の健康状態や精神状態が問題はないか。この子は何が好きで何の科目が得意なのか。色んな部分で情報収集として使っているから、最後まで読むのです。受かる人間と落ちる人間の判定材料として使っている訳ではありません。そこを勘違いしているから、【最後まで読んでもらえるもの】という甘えが抜けない。
-被害者の顔をした、冷酷な加害者-
そんな、酷いっっ!!と、まだ思うなら、少し考えてみてください。人の文章を読み捨てる。これ、あなたもやった事ありませんか?
文章でイメージがわかないなら、漫画でも構いません。映画、アニメ、音楽、動画、ゲーム、バラエティー番組etc…「あっ、これつまんなさそう。やーめた。次々♪」って簡単に言って、冒頭の数行。映画なら数分。漫画もゲームも、最初の部分だけをちら見して、読むか読まないか。聴くか聴かないか。見るか見ないかを、あなたは決めていませんか?
素人が作ったものではありません。少なくとも皆さんの場所に届くまで、数多の人の手を通り、苦労して一から作って、何時間も膨大な時間をかけて、また、人員も使って、その作品は作られています。受験の課題文章を書く苦労の比では無いほどの時間、お金、人、努力、アイデアの結晶の様なものです。その作品を、あなたは何秒で判断しています?どれぐらいの時間で、読むか読まないかを決めていますか?
本屋さんで。または図書館でも構いません。タイトルに惹かれて手に取った本を、たった数行読んだ後に
「面白くなさそうだから、止めた」
と心の中で思って、本棚に戻した経験。ありませんか?
棚に戻した瞬間。その作品を作ったであろう人の苦労や努力。かけた時間、込めた思い。それらを、一瞬でもあなたは気に掛けましたか?
自分で書いた文章は、愛着があります。だから、大事に読んでもらいたい。最後まで読んでもらいたい。そう考えるのは、当然です。自然な事で、当たり前の欲求です。それが読んでもらえない。数秒で捨てられると解ったら、酷いと相手を詰る被害者になれるでしょう。
けれど、それが他人のモノとなると、途端に人間は違う側面を見せるのです。本そのもの。文字だけしか見ないから、それを作った人間が居るということを、頭の中からすっぱり消し去ってしまう。そうして、平気で捨て去る。捨ててしまえるんです。良心など何一つ痛まず、痛むことなんか想像すらしない、冷酷な加害者になる。
この傾向は、酷いと、読み捨てられる事を納得できない人ほど、あっさり加害者になります。自分が人を傷付けていることを、ちっとも考えないで。
-アウトプットの大事さ-
良く読書量や本を読んでいる子供は頭が良くなる、という意見が当然の様に言われています。が、これは持論なのですが、読むだけでは不十分だと私は考えています。何故か。勿論、読むことは大事です。必須条件とも言っていい。
けれど、【『日々の1°があなたを劇的に変える魔法』】でも書きましたが、読書だけだと、思考能力は劇的に育ちません。何故なら、インプットばかりが多くなってしまい、アウトプットの練習が出来なくなってしまうからです。
読書量が多いだけの子と、日々、それらの事を何かしらで書き続けている子を比べると、圧倒的に書いている子の方が点数が伸びていきます。高校生でも、書く訓練を少し取り入れると、見違えたように偏差値が伸びた子が何人も居ます。(三ヶ月で偏差値30upという子も居ました。)
【まとめ 自分の文も他人の文も大事にするために】
自分で文章を書くことが身に付くと、他の教科にも良い影響が出ます。まず、日々のノートの取り方が変わります。また、何よりもこれが大事なのですが、問題文に提示される他者の文を、大切に扱う様になる。不用意に、解らない表現だからといって読みとばす様な事はしなくなります。
書いたからには、何かしら、筆者の意図が必ずある筈だ。何か意味があるから、文字に書いたんだろうし。きっと、この人だって、苦労して書いている筈だ。
自分が苦労して書いているからなのか。自然とそう考える様になるのですね。
「仕方が無いじゃない。だって世界は残酷なんだから」
と、少し遠くを見ながら、したり顔で言い放つ事も可能ですが、どうせだったら残酷な世界で、戦う術を身に付けましょうよ。
負けっぱなしは悔しいじゃないですか。
戦い方は……その3で。
此処まで読んでいただき、ありがとうございました。
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