気持ちが伝わるメールの書き方

文章テクニック
geralt / Pixabay

メールって、義務的な連絡事項だったらするする書けるのに、「どうやって書こうかな」って迷う時がありますよね。

そうやって迷う時って、大概読んでくれる人に対して、「伝えたいこと」がある時なんです。

義務的な、事務的な連絡事項。

例えば約束の時間とか、次の会う日程とか、部活の連絡事項とか、質問されたことに答える時とかは、迷う必要なんかありません。むしろ、楽に書ける。

けれど、「あーっ……どう書こうっ……」って悩むとき。

それって、実は読んでくれる人に「気持ちを伝えたい時」なんですよね。

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【文章におけるコミュニケーションの基礎知識】

ああ、やっちゃった・・ってことにならないように。

-LIneやSNSは基本的に文字文化-

Youtubeを代表するように、現在は動画ブーム真っ盛りですが、基本的にインターネットの世界は文字文化が基本です。

FacebookもTwitterも、色んな形でコミュニケーションがとられていますが、基本的には文章が主体のコミュニケーションです。

Lineも、メールも、全て文字ですよね。

スタンプでの交流ももちろんありますが、それだけ私たちはコミュニケーションの大半を文字に依存しているんです。

これだけ技術が進化しても、コミュニケーションの方法はむしろ平安時代と変わっていない。現在、ネット上で知り合って恋人になる、という出逢いの切っ掛けも誰かが書きこんだ、些細な文だったり。

そんなことを考えると、究極の文字文化。和歌で恋愛していた1000年前と変わらず、文字や文章が持っている力って、やはり侮れないです。

-文章の情報量は直接会って話すことに比べて80%減-

けれど、ここで残酷な現実を。

直接会って、顔を見合わせて話すことで成立するコミュニケーションの場合に伝わる、ノンバーバルコミュニケーション。つまり、言葉を使わずにやり取りされる情報。

例えば、表情や、話の流れ、声のトーン、溜め息やためらいの雰囲気だったり、身体の緊張具合だったり、様々なもので私たちは情報を交換しています。

この言語外のコミュニケーションと比べて、言語が伝えられる情報量は、比率にして、8対2。

圧倒的に、私たちは言葉によるコミュニケーションではなく、それ以外のコミュニケーションで情報をやり取りしているのです。

 

-文章でのコミュニケーションの基本は、「伝わらない」が前提-

なので、こんな経験ありませんか?

励ましのつもりで書きこんだ言葉で、「からかってるの?」「そんな無神経な人だと思わなかった」「ふざけ過ぎ」と違う方向に取られてしまったり、自分が書きこんだことで空気が変わってしまったり、誤解を受けてしまうこと。

それは、あなたが書きこんだ内容が悪かったわけではなく、圧倒的な情報不足なために引き起こされる現象です。

ある意味、文章だけによるコミュニケーションは、「伝わらない」「誤解を受ける可能性がある」「圧倒的に情報が不足しているものなんだ」という認識が必要な、高度なコミュニケーションでもあるんですね。

【対策法】

伝わらないなら、伝わるように工夫する

-まず、「伝わらない」ことを意識する-

まず、大前提です。

「メールや文章だけだと、伝わりにくい」
「感情が入らないから、冷たく受け取られがち」
「誤解される恐れがある」

ということを、徹底的に頭に叩き込みます。

こればっかりは相手に文句を言っても、文に文句を言っても仕方がありません。そういう性質を持っている道具を私たちは使ってしまっている。

なら、上手く使えるようになる。

言葉の性質、欠陥に振り回されるのではなく、その性質や特徴、欠点を良く解った上で、使い方を考えるのです。

-情報が不足することを意識-

特に意識が必要なのは、情報が足りない、ということを意識すること。

そう。圧倒的に情報が足りないのが、文の特徴なのです。

だから、何時も顔を突き合わせて話しているように、文章を書いてはいけないのです。

話言葉では通じても、文章では8割情報が削減されている。

それを意識すると、「多分、これだけだと伝わらないな。何を足そう・・」って考えることができます。

言葉は、足りないものを補う事は出来る。

それには、話すように文章を使ってはいけないんです。全く違うものを使っているんだという意識が必要になり、それを持っているだけでも書く言葉は変わってきます。

そう。足りないものは、補えばいいんです。

-自分が知っている事は、相手は知らない事と考える-

基本、人間は自分の思っているように、相手も感じているだろう。相手も同じ様に思っているだろう、と勘違いしてしまう生きものです。

だからこそ、自分の解っている事には説明を省きがちになってしまう。

けれど、人間は違う個体です。どれだけ傍にいようとも、毎日顔を突き合わせていても、全く同じ考え方になる人間なんて、どこにも居ません。この人の考えている事が全て解る、なんてこともあり得ない事です。

だからこそも「伝えたはずだよ!!」「そんなこと聞いてない!!!」という誤解が生じてしまう。

特にこれは、直接的なコミュニケーションの時に起こりがちになってしまいます。

声は、一瞬で消えてしまいますし、後に残らない。

だから、確かめようもないんですね。

-リライトをする-

そこに、声にはない文の強みがあります。

文章は、思いや感情。目に見えないものを、「文字」という形に残したものです。

それは、物体であり、目に見えるもので、形にも残る。だからこそ怖い部分もあるのですが、「残せる」というのは、とても貴重な特徴です。

そう。この「残せる」という特徴があるからこそ、私たちは「書きなす」ことができるのです。

実際に書いて、それを読みなおして、書きなおす。もうちょっといろいろ足した方が良いかなと、施行錯誤出来る。

実際、「聞いてないよ」と言われた時、さかのぼって自分が本当に伝えていたかどうかを確認することすら、出来ます。

人間って不思議で、記憶があやふやなことは自分を守りたい本能が働いてしまうから、「言ったよ!!」ととっさに弁護をしてしまう時があるのですが、文字の場合、確認ができるから、冷静になって「ああ、ごめん。伝え忘れていた」と謝ることもできる。

使い方と特徴さえ掴んでいれば、余計なトラブルに迷わされることも無くなります。

そう。要は使いようなんです。

-微妙だと思ったら、一晩おく-

「上手く書けない」
「これで大丈夫か、自信がない」
「また誤解されたらどうしよう」

そんな風に思ってしまうメールってあると思います。

けれど、そんな時ほど、少し時間をおいてみてください。夜に書いているのならば、朝まで待ってみる。

そして、一晩ぐっすりと寝て、すっきりとした頭で再度その文章を読んでみる。

殆どの人は、「書いたらすぐに送る!!」という行動をしていると思います。けれど、複雑なことを知らせなければならなかったり、誤解を受けそうだなと思いそうな内容の時には、取りあえず書いてみて、一旦時間をおくことがベストです。

人って、文章書いてるときは結構ハイテンションになってしまうんですね。脳の違う部分が働いていて、結構感情的になってしまっている。

そのテンションのままだと大丈夫に見えてしまう内容も、時間をおくと違った意味合いで見れたりします。

それに、人は自分の文章は「良く見えてしまう」というバイアスが自然と懸っているものなんです。

なぜかと言うと、自分は情報をたっぷり持っていて、知っている事を書いているので、多少情報が足りなくても自分の中で勝手に補完してしまうので、良いように見えてしまうんです。

けれど、それが誰かの神経に触ってしまう地雷であったり、なんてことは本当によくあります。

なので、一晩おく。少なくとも、1時間ぐらいは時間をおいて、違うことをして気分を変えた後に読んでみると、書き直したくなります。

 

-後ろ向きな内容は朝に 前向きな内容は夜に-

人は基本的に、夜はネガティブで感情的。朝はポジティブで論理的に頭が働くように出来ています。

これ、警察の犯罪指数の資料を見ると解るのですが、突発的な殺人や傷害事件などに発展するケンカなどが発生するのは、決まって深夜です。

朝に、衝動的な犯罪は少ない。(つまり、朝は計画的)

それだけ私たちは自然の現象に気分を左右されやすい存在です。

だからこそ、夜にメールを打つ時にはちょっとした注意が必要になります。

どうしてもイライラして、感情的になり、早く文を書く重労働から解放されたい一心で、とても説明不足の事務的な、無機質な用件だけのメールを打ちがちです。

相手に対するねぎらいの言葉も何もなく、ただ、自分の条件だけを突きつけるような文になってしまいがちです。

なので、時間を置きましょう。

感情的なものほど、書いた後に時間をおいて、出来れば朝に見直してみる。夜に書いたメールは一晩おく。

そして、午前中に書くメールは論理性が高く、無機質になりがちなので、感情的な言葉を添える。朝は基本的に前向きなので(学校に行く、となるとテンション下がっているかもしれませんが……(笑))「あ~、だるい・・」でも、夜と朝とでは、読む人の受け取り方が全然違ってくるんです。

 

【メールだからこそ、出来ること】

-直接的なコミュニケーションよりもメールが優れている面-

直接的なコミュニケーションよりもメールが優れている面は、思いを形に遺す事ができる面です。

そうして、書き直す事ができる点。自分が言ったことを、書いたことを、ちゃんと見直す事ができる点です。

形にして遺す事ができる。

だからこそ、直す事も出来るし、説明が足りないのならば、色々工夫をすることもできる。

これは、文章にしかない特徴とも言えます。

-簡単に送れるからこそ、ワンテンポ遅らせる-

ここで、重要なポイントは、「返信を遅らせる」ということ。

形に残る、というのは良いことばかりではありません。決定的な一言を言ってしまったが故に、関係が壊れてしまったことなど良くあることです。

文は、形にして残ってしまうため、不用意な書きこみをずっと指摘され続けることもあり得ます。

けれど、その危険性を解って使っているのと、全く気付かずに使っているのでは、結果は全く違ってくるはず。

言葉が通じても、話が通じない人間にならないために、文の特徴とその欠点。性質、使い方を覚えましょう。

それだけで、あなたのメールはぐっと人の心を掴むことができるはずです。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

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