ものとことば テスト対策 問題編

テスト対策

数研出版の国語総合、現代文辺に掲載されている鈴木孝夫さんの「ものとことば」

定期テスト対策問題集です。内容理解と記述の練習に使用してください。

※それぞれの設問に、解答につなげるためのヒントを出しておきます。そのヒントを参考に、問題の解答にチャレンジしてみてください。

段落番号を記載しますので、実際の文章は教科書を参考にしてください。

評論文を読みとくポイントは、「一般論の否定」です。

当たり前だ、当然だと思っていることが実はそうではない、という事実。それを意識して解くと、筆者・鈴木孝夫さんが述べたいことの本質が見えてきます。

この「ものとことば」では、

「もの」の存在が先、「ことば」が後。(一般論)
だとするのならば、筆者の主張は、逆。
「ことば」の創出が先、「もの」が後。(一般論の否定)
ということです。
それが本当に正しいかどうか、真理なのか、ということは横に置いておきます。
試験の課題は「書いてあることの内容を理解しているかどうか」が問われているので、筆者の書いている内容の精査をその場でするのではなく(それをするためには、大学で分析・精査する多大な労力が必要になります)、「この人が何を言わんとしているのか」を理解することに、能力を使ってください。それが評論文の問題を解くコツです。

では、問題です。

定期テスト対策問題

問一

次のカタカナを漢字で書きなさい。(本文使用の漢字とする)

➀ メイシ  ② メガネ  ➂ ボウダイ  ➃ シンラバンショウ  ➄ ソボク  ➅ クッセツ  ➆ コントン  ➇ キョコウ  ➈ セイゼン  ➉ テイジ

問二

第19段落「空々漠々」の文章中での意味を答えよ。

わからない熟語は辞書で調べる癖をつけておきましょう。テスト時で無理な場合、漢字一つ一つの意味から、熟語の内容を予想します。この場合、空=大地の上空にあるもの、何もない。漠=広々として果てしないこと この二つの掛け合わせです。

問三

第11段落「ものとことばは、互いに対応しながら人間を、その細かい網目の中に押し込んでいる」とは、どういうことか。説明せよ。

「細かい網目」という比喩表現が、何を指し示しているのかを考える。
ここでは名前をもつもの同士が、密接につながりあって世界を構築していることを指し示している。
もう一つのポイントは「押し込まれている」という、外部から圧迫されている表現を、内部に居るものとして言いかえると、無数の互いに結びついたことばとものに、人間は囲まれている、と言いかえることができる。

問四

第14段落「このような前提」とは、なにか。本文の内容を踏まえた上て、2つ具体的に記述せよ。

「このような」という接続詞がヒント。
「このような」=具体例をまとめる抽象を導く接続詞。なので、その前の部分に書かれている具体例を二つ見つければよい。
具体例を見つける接続詞は「たとえば」だが、今回はない。(※ない場合もある)
もう一つのヒントは「前提」という言葉の意味を考える。
前提=ある事柄が成り立つための、条件。
なので、具体例であり、条件であるものを本文から探す。

問五

第18段落「私の立場を、一口で言えば、『初めにことばありき』ということにつきる。」とありますが、これはどのような筆者の考えを指し示しているか。説明せよ。

次の第19段落に、「ことばがものをあらしめるということは~」という筆者の定義が書いてある部分があるので、そこを参考に解答をまとめる。
筆者は、ことばがあるから人間は世界を細かい部分まで認識することができると言い切っている。

問六

第20段落「ことばの構造やしくみが違えば、認識される対象も当然ある程度変化せざるを得ない」のは何故か。説明せよ。

第21段落の冒頭に「なぜならば」という接続詞に着目。
「だから」➡結果を導く接続詞
「なぜなら」➡理由・原因を導く接続詞
この場合、「なぜなら」があるので、その続きに第20段落の理由・原因が書いてあると考える。
答が書いてある部分を限定したら、それを解答に書き直すとき、まずやることは、主語と述語を抜き出して、短文を作る。
今回は「ことばは、しかけであるから」という短文になる。
その間を、意味が通るように文章を足して、解答をつくる。

問七

第22~28段落で語られている「机」について、次の問いに答えよ。

机を「外見的具体的な特徴から定義すること」が「ほとんど不可能」なのはなぜか。説明せよ。

第24段落に「こう考えてみると~ほとんど不可能である」という文章があることに、着目。
「こう考えてみると」の「こう」は、指示語。
指示語の指し示す内容は、第22・23段落の具体的内容になる。
特に23段落に書かれているのは、「机は材質や形、色、大きさ、脚のあるなしに至っても、全部違う」ということ。
この「全部違う」を言いかえると、「共通したものが一つもない」と表現できる。(※文章に書かれている表現を、違う言い方に言いかえるのは、記述問題の基本)
となると、解答の基本文は「机は~~~共通した特徴が一つもない」というのが、主語と述語になる。

 

問八

第28段落「人間の視点を離れて~(略)~理解できないだろう」とあるが、猿や犬が「理解できない」と筆者が述べているのは、何故か。説明せよ。

猿や犬は、人間の視点を離れた存在の例示として出されている。
なので、「人間の視点を離れた存在が、棚と机の区別は、理解できない」のは、棚と机を区別しているのは、人間の視点で考えられているからである。
その人間の観点から作られた、棚と机を区別するものは、「何」だろうか。

問九

第29段落「虚構の文節を与え」とあるが、どういうことか。具体的に説明せよ。

文章の一部分の説明を求められた場合、その文の主語と述語を抜き出す。
この場合は、「ことばというものは、分類する働きを担っている」という主語述語(述部)が抜き出される。
それをさらに分析すると、ことばは、「なに」を分類しているのか。
「なに」は切れ目のない素材の世界、ということになる。
切れ目のない素材の世界を、「ことば」で分類する。その行為を、虚構=実在しない区切りと言いかえている。

問十

第29段落「虚構性を本質的に持っている」とあるが、これはどういうことを指し示しているか。本文全体の要旨を踏まえ、説明せよ。

問9で、虚構=実在しない区切り、という言いかえが解っているので、虚構性とは人間が勝手に創り出した、勝手な世界の区切りであり、分類であることが解る。
その「勝手な区切り」で、実在しない分類があるように思い込み、その視点でのみ世界を見て、知ろうとすることは、結果的にどういうことになってしまうのか。
それを考える。

解答は、こちら

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

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