知っていますか? 戌年の意味・由来

行事の意味・由来

新年、あけましておめでとうございます。

飛躍の酉年が終わり、戌年の始まりました。

なので、せっかくの新年。戌年の由来に少し、触れてみます。

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【十二支とは】

「子丑寅卯辰巳……」

と昔、指折り数えた十二支。これらは本来、中国からの輸入物で、天文学から発生した考え方です。天(空やこの世界を表す言葉)を十二に等分した時の場合です。

なので、この十二支を使って、時刻や季節。そして、方位などを区分する時に、この十二支を使いました。

それぞれを分かりやすいように動物をあて、覚えた生活の知恵のような物。

今は、時間の呼び方も、午前9時や、午後5時のように数字を使っていますが、太古の昔。特に、朝廷の力がしっかりとした権力を持つようになった奈良・平安時代~江戸時代までは、この十二支を使った時間や月の言い方の方が、しっくりきていたんですね。

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【戌という干支】

なので、戌という干支は

時間にすると、19時(午後7時)~21時(午後9時)のこと。

季節で表すならば、ちょうど11月。秋ももうすっかり終わり、雪がちらつき始める寒い時期の事。

方向ならば、ちょうど西から北西の間の角度の事を言います。

時間としてあらわすなら、ちょうど夕御飯も終わって、学生なら宿題するかテレビを見るか、ネットで遊ぶか迷う時間帯。ゆったりと、身体を休める準備をする時間帯の事。

季節ならば、秋の収穫もすっかり終わり、冬支度を始める、農業ではお休みの時期。

方角は西から北西。この北西と言う角度は、一番位の高い角度として、重宝された角度でした。神様を祭るのに、ちょうど良いとされ、その国や家で一番の位の人がいる場所として一番いい、位の高い場所。

平安時代、帝が鎮座する大内裏の位置でも、仕事場である紫宸殿を中心とみなすのならば、プラベートな私室の清涼殿は、この戌の方角に配置されています。

家の中で御札や神棚を祀るのならば、この方角が良いとされる由縁は、こんな平安時代の建物に見られるのかもしれません。

【戌=滅】

戌年の由来は諸説ありますが、調べてみると「戌」の字は「戈」=ほこ、と、「一」からなる漢字で、一括りにまとめて、矛で断ち切ることを意味しました。

ちょうど、酉が秋の収穫、実りを意味しますから、一まとめにした稲を断ち切る。そんな意味が、戌という漢字。

また、この漢字に、水を表すさんずいと、火の字を加えて「滅」の漢字の意味もあるとされています。

収穫の終わった畑や田んぼを焼き、冬の間の雑草がはびこることを防止し、水をかけて鎮火する。

秋から冬にかけての「戌」の字に、その時期に行われる稲作の作業が合わさった字。草木が枯れることを「滅」は意味しますが、そう考えると、この時にはそこまで怖い意味は含まれていないのかも、と思えてきます。

人間、いつもいつもフルパワーで動くことなどできないように、頑張った後には必ず御休みが必要です。毎日、私たちが寝るのも、明日を頑張るためです。

なので、そんな御休みの準備の意味として考えるのならば、戌=滅とする見方も、当然なのかもしれません。

【戌=犬のイメージ】

羽ばたく鳥をイメージし、飛躍の年とされる酉年ならば、戌年のキャッチコピーは何かと言うと、

犬は大空を舞う手の届かない鳥とは違い、身近なものです。

人間の傍にいてくれる存在で、傍に居て離れず、忠誠心の篤い動物とされています。番犬、という言葉もありますし、小説や漫画などでは「軍の戌」だとか「政府の戌」とかで言葉が出てきます。(あまり良い意味ではありませんが)

だからこそ、戌年のキャッチコピーは、「安全」「忠誠」「献身」「保護」。

安全運転の年、というと心に響かないかもしれませんが、先ほど書いたように戌の時刻は午後7時~9時です。この時間に、変化とか挑戦とか言って外に出ていく雰囲気って、逆に夜遊びのイメージですよね(笑)

安全と言うよりは、心穏やかに、一心に、自分の決めた道をひたすら真っ直ぐに貫き通す一年。

献身、というのは、誰かに、と言うのではなく、「自分自身の決心」に対し、献身的で居ること、です。迷わず、そう決めた自分の心に忠実に、嘘をつかず、真っ直ぐに進んでください。犬が真っ直ぐに、ご主人様ただ一人とその身を寄せるように、自分の心に寄り添う年にしてください。

【犬=警察官・軍人?】

小説の中では、この犬という動物を、忠誠心が篤く、主君の言いなりという意味で、国家機関の完全なコントロール下に置かれなければいけない、軍隊や警察に所属する人達の事を、自分の意志で動けない存在、という揶揄の意味で、「犬」「戌」と表現することがありますが、不思議なのが、そういう侮蔑の意味が込められていたとしても、「正義」を扱い、実行する機関を指すのが、奇妙な一致で面白いなと思うところです。

「戌」=「犬」=「正義」という考え方も、イメージとして当てはまるものです。

ある意味、「戌」という漢字は、滅びの意味も含んでいるのですから、正義に反するようなことをした場合、おのずと滅びがその人に訪れる年になるのかもしれません。

そう受け取ると、背筋がピンとのびる感覚がします。

そして、物事には両面性が必ずあります。良いところがあれば、悪いところも必ずある。

忠誠心が篤く、正義感が強い、というのは長所にも思えますが、それをひっくり返せば、融通がきかず、裏切ると責め立てる、神経質で怒りっぽい、とも言えるわけです。

一刀両断でひとまとまりにしたものを絶つ意味を持つ、「戌」

そして、「犬」というイメージから、正義や忠誠の年とも言えます。

なので、何か悪い習慣や考え方があるのならばそれを絶ち、自分の目指すものに自己の忠誠心を注いでみてください。

ではでは。

ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。

 

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