平成30年度の、全国読書感想文、課題図書が発表されました。
課題図書一覧
読書感想文なんて夏休みが始まってから考えればいいやぁ~と思っている人がほとんどだと思うんですが(笑)準備って速いにこしたことはないので、今日は読書感想文についてまとめてみます。
【なぜ読書感想文が皆嫌なのか】
-やり方が解らない-
夏休みの宿題の中で、一番嫌なものに挙げられる読書感想文。
何故、みんな嫌なのかと言うと、「感想を書きなさい」と言われるだけで、「どうやって書くのか」ということの指導が一切されないからです。
やり方を知らないのに、やらなきゃいけない。
そんなの、嫌になって当たり前ですよね。
-本好きでも嫌な読書感想文-
「本好きな子は良いなぁ。きっと読書感想文もすらすら書けるんだろうなぁ」
と思っている子は案外多いのですが、実は本好きでも読書感想文って嫌です。それに、読むのは好きだけど、書くのは大っ嫌い、なんていうのは良くあること。
「書く」ってそれだけ重労働だったりするし、本好きだからと言って感想が書けると言うわけでもないのです。実は。
-人間は感想を話したいもの-
ここで、不思議なんですが、面白い映画を見た後とか、ドラマを見たりした後とか、友達と感想を言い合ったりしませんか?
好きなシーンとか、嫌いなシーンとか、好きなキャラクターとか、話の中での謎かけとか、印象に残ったシーンとか。その他いろいろ。
映画観た後に、あーだこーだと話しあうって、普通にやっている事です。「あー、面白かった!!」と言いあった後、何で面白かったのかを話し合うことでより楽しめる。自分が気がつかなかったことにに友達が気付いていて、それを話し合うことで保管して、また更に楽しむ。
感想って、実は人と共有し合うことによって、更にその作品を楽しめる作業だったりするんです。
嫌いなら嫌いなわけを。
その作品が、どうしても嫌だったなら、嫌な理由を。つまらないならば、どうすれば面白くなったんだろう。自分は、どんな話が好きなんだろうという、自分の好みを探る作業でもあります。
その作品がつまらなくても面白くても、人って誰かに話したくなるんです。
「あれ、物凄くつまらなくてさ。だるくて、あくび出そうだった。」
でも、立派な感想。
「あの映画、ほんっっとに面白くて、特にラストのこのシーンが最高にどきどきして!!」
でも、良いんです。
それに、「何でつまらなかったんだろう」という理由を見つけられれば、大丈夫。「どうして、このシーンが好きなんだろう」と好きな理由が探せれば、それで良いんです。
感想+理由。
このワンセットができれば、十分感想文になります。
-読書感想文が嫌なのは、偽らなければならないから-
でも、それが解っていても、読書感想文を書くのが嫌なのは、皆、なぜかバイアスがかっているんですよね。
「先生(両親)に喜ばれるのは、どんな意見だろう……」って。
何故か、皆それを考えて、気に入られる意見は何だろうか。評価される意見は。好まれるものは何だろうかと、無意識に考えてしまっていたりする。
そうすると、自分が本来抱いた感想と違うものを書かなければならなくなるので、途端に嫌になるわけです。
でもね、ここで大きなポイントです。
そうやって、「人に気に入られるように書こう」と思った瞬間。その文章は、とっても面白くないものになるし、文が死んじゃいます。これ、本当に(笑)
【すらすらと書くには】
-入賞するのは、感情が書かれているもの-
読書感想文のコンクールなどで上位入賞したものを読んでみると解るのですが、ほとんどが感情を素直に書いているものが殆どです。
人って、偽ったものはやっぱり解るんですね。
上手く書こうと思ったり、良いように思ってほしいと思って書いたりするものよりも、自分が感じたものに素直に、むしろさらけ出した方が魅力的になったりする。
逆に偽ると、とたんに個性などなくなってしまいます。
あなた自身が、あなたの感じた物を大事にして、それを素直に書いたものが、一番人に伝わるものなんです。
-嘘を吐かないと人は文を書ける-
人は、偽る必要が無くなると、感情が溢れてきます。
それを書けばいいだけ。その作品が面白くても、つまらなくても、どちらでも良いんです。
主人公が好きになれない。それもりっぱな感想です。皆が好きだと言っているものを、別にあなたも好きになる必要なんか、欠片もないんです。
自分の心が反応した。それが+方向であっても、-方向であっても、良い。
理由がしっかりと書けていれば、それでいいんです。
人の目なんか気にせず、つまらなかったら、そのつまらなさがどんなものなのか。教えてください。
それが、「あなたの感想文」です。
嘘なんか、吐かなくて良いんです。
-「こんなこと書いちゃいけないのでは」ではなく、「それが自分の本音」だと思って書いてみる-
読書感想文指導をしていて、つまらなそうに書いている子に「これ、嘘だよね?」と問いかけると、大抵びっくりしたような表情をするのですが、「本当は、どう思った?」と聞くと、書いてあることとは違うことを皆話してくれます。
それを、「書いてみよう」と進めると、「駄目だよ!! こんなこと、書けない!!」と皆首を振ります。
けど、色々話して、書いてみて、本人が納得する形で本音をぶちまけた読書感想文が、県で優秀賞に入りました。
その結果に、「書いていいんだ」と、ちょっとびっくりしたような表情をしていたのを覚えているのですが、そう。書いていいんです。そして、読みたくなるような文章って、本音が書かれているものなんですよね。
-素直に書くと魅力が生まれる-
自分の感情に素直になると、そこには魅力が生まれます。
なぜかと言うと、それはあなただけが感じているものじゃないから。
皆、感じている事なんです。けど、皆我慢して、ぐっとこらえて、言っちゃいけないって何故かブレーキをかけている。
けど、やっぱり、人は本音で話したいし、本音で語りたいし、自分が思っている事を、誰かが思ってて欲しい。共感してほしいし、共感したいと願っているものなんです。
だから、本音を晒した文章には、人を惹き付ける力があります。
本音で、書いてみてください。
友達に話すみたいに、お母さんや、お父さんに話すみたいに。
読書感想文なんて、それだけのものです。
-後は、見せるテクニック-
で、後は見せる順番と書くテクニックだけ。
人に説明するには、順番が必要です。本音を書くって決めたら、それを箇条書きにしたり、落書きみたいに羅列したりしてみてください。
後は、順序良く並べるだけです。
【順序を守ろう】
-「読んだ⇒いきなり書く」では書けない-
読書感想文が書けない人は、読んだ後にいきなり書きだす人です。
それだと、大抵原稿用紙半枚ぐらいで詰まってしまいます。書き続けられなくなっちゃう。
なので、順番を決めましょう。ほんの少しだけ、戦略的に順序を考えることが、驚くほどスムーズに文章を書かせてくれます。
-情報を整理しよう-
まずは情報の整理です。
主人公が誰で、どんな話で、それを面白いと思ったのか、つまらないと思ったのか。悲しいと思ったのか。
その理由は何なのか。
何故、それを面白い、つまらない、かなしい、と思ったのか。
自分にも、似たような体験をしたことがあったのではないか。何かを思い出したか。その記憶を思い出して、どんな感じがしたか。
今、戻れるとしたならば、どんな風に自分に声をかけるか。
プリントを作りましたので、その質問に答えながら、自分とは話しあってみてください。
pdfファイルです。印刷などして、使ってください。
あなたの本音が詰まった、読書感想文が書けますように。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
コメント