中島敦「山月記」の定期テスト予想問題です。
記述の問題を解く時は、必ず、「主語と述語」「原因と目的」を意識して、解答を作ること。
後半にヒントを書いておくので、それを参考に解いてみてください。
【問題】
~問1~
次のカタカナを漢字に直せ。(本文中に使用されている漢字)
(1)ショギョウ (2)ザンギャク (3)シュクゼン (4)ヒキョウ (5)シュウチシン
~問2~
本文、第6段落「これは恐ろしいことだ。」とあるが、どのような点で「恐ろしい」と言っているのか。30字以内で説明せよ。
~問3~
本文、第6段落「古い宮殿の礎」とは、この場合、何をたとえたものか。本文中から、5字以内で抜き出せ。
~問4~
本文、第6段落「俺の中の人間の心がすっかり消えてしまえば、恐らく、そのほうが俺はしあわせになれるだろう。」とあるが、なぜ「しあわせ」になれるのか。25字以内で説明せよ。
~問5~
本文、第6段落「だのに、俺の中の人間は、そのことを、この上なく恐ろしく感じているのだ。」とあるが、その理由を簡潔に説明せよ。
~問6~
本文、第15段落「我が臆病な自尊心と尊大な羞恥心とのせいである。」とあるが、「自尊心」という言葉を用いて、それが当時の李徴にどのような行動として現れたかを100字以内で説明せよ。
~問7~
本文、第15段落「己の珠にあらざること」とはどういうことか。具体的に答えよ。
~問8~
本文、第15段落「人間は誰でも猛獣使い」とはどういうことか。説明せよ。
~問9~
本文、第15段落「この胸を焼く悲しみを誰かに訴えたいのだ。」とは、どのようなものか。60字以内で説明せよ。
~問10~
李徴が人間の時に創った詩は、袁傪曰く、「欠けるところがある」となっている。だが、虎になり果てたのちに即興で創った李徴の詩は、人々にこの詩人の薄幸を嘆じさせた。
李徴が人間であった時の詩と、虎になってからの詩の違いを、袁傪が指摘した「欠けているところ」を明らかにして、説明せよ。
-ヒントを見る前に-
ヒントを見る前に、必ず自力で解答を作ってみてください。
教科書、辞書は使用可。授業のノートも利用可、とします。
記述力は実行することでしか養われていきません。「できる」のではなく、「やり続けた」ことによって、「できる」ようになっていく。
なので、一度だけで完璧な解答を書こうとせず、何度も書き直したり、考えたりする時間をかけてください。
白紙解答は厳禁です。答、ヒントだけ見ても、決して国語の点数は上がりません。
計算過程を読んでいても、計算力が上がらないことと、似ています。
ぜひ、実践を心がけてください。
【ヒント】
~問1~
ヒント省略。
漢字を覚えるには、日常的に使う言葉に、熟語を使うようにしてしまうこと。そうすると、自然に覚えるし、忘れません。
~問2~
問題文の前に、
「どうして虎になってしまったのか」と「おれはどうして以前人間だったのか」と書いてある。
前半は、もともと人間だった存在が、虎に変化。
後半は、虎が、人間だったという認識でなければ出ない言葉。
この二つの違いを、解答に入れること。
~問3~
古い宮殿=過去
礎=土台
李徴の過去であり、思考の土台となっているものを、本文から探す。
~問4~
逆に考えるならば、人間の心が残っていると、幸せになることはない。つまり、不幸である、と言うこと。
何故、不幸なのか。
それは、何故虎になってしまったのか。
元に戻れる可能性はあるのか。
ずっと、このままなのかと、考え続けているから。
それを、一言でまとめて表す。
~問5~
問4と連動している問題。
人間の心が残っていると、不幸である。
けれど、その不幸がなくなり、幸福になる、ということは、同時に何を失ってしまうのかを、考える。
~問6~
本文、第15段落「我が臆病な自尊心と尊大な羞恥心とのせいである。」とあるが、「自尊心」という言葉を用いて、それが当時の李徴にどのような行動として現れたかを100字以内で説明せよ。
人間だった時の李徴の行動を、振り返る問題。
特筆すべき李徴の行動を、本文から抜き出すと、
・人と遠ざかった。(距離をとった)
・己の珠を刻苦して磨こうとしなかった。
この2つの行動が、具体的に何を指し示すのかを必ず解答に入れ込む。そして、「~という行動」で解答を終わらせる必要があるので、この2つを解答文の最後に配置すること。
そして、その行動に繋がる心理的理由を「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」を言い換えて、書く。
「臆病な自尊心」=何かを極度に恐れている。(何を恐れているか)
「尊大な羞恥心」=偉そうな態度をとるのは、何故なのか。
偉そうに振舞う人は、大事に扱われたいという願望を持っています。つまり、今の自分に対する周囲の扱いに、不満を抱いている、ということ。
本文中「碌々として瓦に伍することもできなかった」がヒント。
~問7~
珠=才能、天才のこと。
何に対する、才能か。李徴はこれがないことをとても恐れていた。
~問8~
猛獣が何なのか。
全ての人間が持っているものであり、「猛獣使い」は「猛獣を意のままに操れる人」ということになるので、全ての人々がもっているものを、制御できる、という意味を書きこむこと。
~問9~
本文、第15段落「この胸を焼く悲しみ」とは、どのようなものか。60字以内で説明せよ。
「どのようなものか」と聞かれているので、「~~~~という悲しみ」が解答のテンプレート。
空費された過去を、李朝は歎いている。
つまり、自分の過去の行動、態度を反省して、改善したいと願っているのに、何かが問題で、自分の欠点に気がついても、意味がないと考えている。
そこを踏まえて解答を作成すること。
~問10~
人間であった時の李徴は、詩を作ることの目的は、何であったのか。
虎になり果てた李徴の詩を作る目的は、問9の問題部分の続きに書いてある。
その違いを対比で書けばよい。
解答は明日。
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。
解答はこちら
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