論語解説 「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず」


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論語解説です。

論語を読み解くポイントは、漢字の意味や熟語の意味を正確に取ること。
そして、対比文で書かれている場合、その様をグラフ化して考えることです。

現代語訳が解っていても、中々理解できないのが論語の面白いところです。

では、読んでいきましょう。

【本文】

~白文~

子曰、「君子和而不同。小人同而不和。」

~書き下し文~

子曰はく、「君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。」

~訳文~

先生が言われた。「君子は人と調和し、仲の良い状態を保てるが、何にでも賛成はしない。小人は何にでも賛成するが、人と調和はしない。」と。

~解説~

論語の特徴的な対比文章です。

でも、この文章って、君子=徳の高い人、理想的な人物。小人=一般人、駄目な人。の対比でもあり、「あれ? どっちがどっちだったっけ??」と良く解らなくなってしまう文章でもあります。

でもこの対比文。少しだけ数学的な考え方を取り入れると、一気に解りやすくなります。

漢文で数学?? と思うかもしれませんが、対比って様は比較です。そして、その軸が四つあるのだから、それを目に見える形でグラフ化してしまうです。

これは、同じ様な論語の文章に全て使える整理の仕方です。

今、取り上げられているのは、和す=人と調和、仲良くする、と、同ず=人の意見に賛成する、という観点です。

それをこのようにグラフ化してしまう。

はい、見た目は関数のグラフとそっくりです。

けれど、こうやってはっきり区切られていると、頭の中がすっきりしますよね。

で、これは四つのゾーンに区切られているのですが、ここに君子ゾーンと小人ゾーンを書き入れます。

解りやすいように、色分けしてしまいましょう。

こうやって見ると、見事に真逆のゾーンに居るのが解りますよね。

そして、グラフ化されると、自分はどこの位置に居るかな? と考えることもできます。

そして、君子のゾーンに入るためには、自分はどこを改善していけばいいのかも、同時に解るようになります。

他者と違う意見でも、人と仲の良い状態を確保できる、君子。
他者と違う意見だと嫌われるのではないかと不安になってしまい、すぐ同意をしてしまう。けれど、結局は友達と仲の良い状態を保てない、小人。

何故小人はそうなってしまうのか。
逆に君子は人に同意をしなくとも、何故仲のいい関係が保てるのか。

【君子の特徴】

~相手を傷付けない言い方を心得ている君子~

人の意見に同意しない、と言うことは、何でもかんでも反対する、ということではありません。

君子も賛成はします。むしろ、自分の意見と重なった時には、率先して賛成します。

けれど、自分の意見と違う時。そして、確認をされた時、しっかりと口に出して自分の意見を言うのが、君子の姿です。

けれども、君子が意見を口にするのは、相手と違うことを強調するためではありません。相手を傷付けるつもりももちろんない。




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けれど、その言い方一つで誤解を受けてしまわないよう、会話のスキル。つまり、コミュニケーション能力が高いのが、君子の話し方です。

つまり、「あなたの意見に反対」ではなく、「自分の意見はこうですよ」というスタンスで話す。きちんと理由も付けて。

自分の意見を出す時は、何かしら目的がある時です。相互理解でも良いし、好きなものに対しての何気ない会話でも構いません。その時に、きちんと自分の意見を、相手の気分を害さずに言い合うことが出来る。

それが何故可能なのか。

それは、相手を信頼しているからこそ、出来ることです。

 

~自分の意見の確立をしていると、人に好かれる不思議~

君子が何故、自分の意見を口にできるのか。

それは、自分自身の意見や感覚を、とても大事にしているからです。

今の自分が考えること、ということをとっても大事にしていて、それを口にする、と言うことは自分自身を大事にしていることと同じことになります。

そして、不思議なことに自分を大事に出来る、と言うことは、相手にも多分大事な意見があるはず、という考え方が出来るようになる。

だから、違っている事はむしろ当たり前だし、同じものを見たり聞いたりしても、自分と全然違う意見を持つ人がいる、ということを楽しめるようになります。

誰もが違う意見を持っていて良い。

だからこそ、自分達は話し合い、その違いを楽しむことが出来る。なので、人と意見が違っても、むしろそれを楽しむのが、君子の姿となります。

で、そうやって自分の意見をはきはきと言って、違う意見が出てきてもそれを興味を示して聞いてくれて、最終的に解り合えなくても、その意見を尊重する態度を見せる。

こうやって書き表していくと、君子が人から好かれるのが、とてもよく解りますよね。

自分の意見を大事にし、人との違いを対立と考えるのではなく、自分の意見の否定と捉えるのではなく、その違いを興味を持って、楽しむぐらいの感覚で人と話す。

確かに、理想的な人物像ですよね。

こんな付き合い方が友達と出来たらいいなと、思ってしまいます。

【小人の特徴】

~君子と比較される小人~

論語を読んでいると、常に比較として出てくる「小人」ですが、勉強も何もしない、駄目な人、と言うわけではありません。

孔子は役人の世界で生きた人です。なので、周囲は優秀な人たちがとても沢山居た。けれど、能力的に優秀であっても、問題のある人も沢山その目で見てきています。

だから、「ここを改善すれば、もっと良くなるのになぁ……」「おしいっ!!」と思う人たちが「小人」なのですね。

本来はきちんと自分の意見も持っているし、人と仲良くできる能力も持っているはずなのに、一つのボタンの掛け違いで孤独になってしまったり、嫌われたりする人たちが居る。

ある意味では、小人=一般人。普通の人が陥りがちな穴、なのかもしれません。

~人から嫌われることを恐れる小人~

君子の話し合いは、違いを認め合うことの過程、とするのならば、小人の話し合いは、阻害されないことの確認です。

「皆と一緒が良い」
「だって、同意しないとハブられる」
「嫌だったけど、調子合わせておかないと後が怖いから……」
「皆がやってるから、大丈夫かなって思って……」

相手と明確に違う意見を呈示することに、恐怖を抱く小人。

その小人が恐れているのは、阻害。つまり、集団からの孤立です。

仲間はずれが怖くなってしまう。これ、現代の友達関係でも通じるものがありますよね。

違う意見を言ったら、きっと嫌われてしまう。相手を否定しているのではないかと、受け取られてしまうかも。もしかしたら、誤解されるかも。面倒なことになるくらいなら、調子を合わせておこう。

けど、人間って自分がそうであるように、人もとっても相手の様子に敏感なんですよね。ちゃんと相手を見ている。

だから、ばれるんですよ。調子だけ合わせてるって、恐ろしいぐらいに、ばれてしまう。

だから、嫌われないようにとやったことが、結果的に嫌われることに繋がっていくという、負のスパイラルにはまっていきます。

そうして、また嫌われたくないからと本音を隠して、相手に調子だけ合わせると、それを見抜かれて人が離れて行く。結果、一人になってしまう。

集団の中でも、自分の意見を曝け出せないので、孤独を感じてしまう。

そんな状態になってしまうのが、小人だと。

【根幹は、信頼関係があるかないか】

自分の意見を口にできる人は、自分自身を大事にし、同時に相手の意見も尊重します。

これって、「何を言ったとしても、大丈夫」という信頼関係が成り立っているからこそ、出来ることです。

意見は同意できないかもしれません。でも、それって食べ物の好き嫌いとかと同じです。

例えば、生クリーム大っ嫌いでも、目の前で友達が生クリームがもりもり盛られているケーキを食べてても平気ですよね。別に食べろと強要もしないし、されないし。相手は相手の好きなものを食べ、私も自分の好きなものを食べる。

意見の違いって、そういうことです。

必ずしも同意しなくていい。

自分でちゃんと自分の意見を持っていても、良いんです。

それで、相手の全てを嫌うことなんか、はっきり言って有り得ません。

自分の意見を大事にし、相手と違っていても大丈夫だと、相手に信頼を示す。違っても、それは食べ物の好き嫌いと同じぐらいだと思う。

辛いものが好きな人と嫌いな人が友達でも、別に不思議じゃないですよね。必ずしも同意する必要なんか、ない。むしろ、違いがあったらそれを楽しもう、ぐらいの感覚をもって、人と接すると君子に近づけるよと、孔子は語っています。

【論語の学び方】

~おじいちゃんからのアドバイス~

教科書に載っている孔子の像って、大概おじいちゃんの姿です。

だから、論語を読むとき。いつも私が思うのは、人生の大先輩であるおじいちゃんに、ちょっとした悩み相談をする、ぐらいの感覚で文章を読みます。

短い文章に、大量の情報が入っている論語ですが、ひとつひとつをしっかりと読み解くと、今の自分が引っかかっている部分に対するアドバイスがある。

そんな気持ちで読んでみると、漢文が身近になります。

難しい!! とか、理解できない!! とするには、とっても勿体ないので、是非心のどこか片隅に置いておいてください。

・自分の意見を、まず自分が大事にする。
・相手も同じ様に、大事な意見がある。
・会話はむしろ違いを楽しむ場所。
・違っていたら、食べ物の好き嫌いと同じだと考える。
・違う人間だから、違う意見を持ってて当たり前。
・相手の意見に同調することと、尊重することは違う。

君子は和して同ぜず。

人と意見が違った時に、呟いてみてください。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 


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