本当の失敗とは テストの点数を嘆く前にやること~漢文解説「論語」~子曰「過而不改、是謂過矣」

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こんにちは、文LABOの松村瞳です。

長い漢文が続いたので、ちょっくら今回は短めの物を。内容は、かなり胸をえぐりますが、結構この言葉っていつ、どんな時に耳にしても、「ああ、そうだよな」って納得できる部分が多いので、取り上げました。

今回は、失敗についての論語の言葉から。

ああ、やっちゃった!! っていう時、顔を覆いたくなりますよね。

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【「論語」~子曰「過而不改、是謂過矣」】

~白文~

子曰「而不改、是謂矣」

~書き下し文~

子曰く、「過(あやま)ちて改めざる、是(これ)を過ちと謂(い)ふ。」と。

(テストで読みが問われそうな部分を色がえしました。参考にしてください)

~訳文~

孔先生が言われた。「失敗をしたと気付いたのに、それまで失敗していた物事のやり方を変えようとしない。これを本当の失敗というのだ。」と。

~解説~

うわっ、やっちゃった!!

っていうの、誰にでも有ると思います。もう本当に顔を覆いたくなるような惨事って、色んな時に、いろんな場面で訪れるし、失敗を逃れる事って、基本人生だと無理ですよね。

そもそも、赤ちゃんの時だって、立って歩くようになるまでにどれだけ失敗しているか。自転車に乗れる練習だって、乗れるようになったなら皆何食わぬ顔して当然のように乗っていますが、何回こけました?(個人的に運動神経が壊滅的にダメダメな人間なので、乗れるまで非常に苦労した経験が……泪)

でも、そんな状態で、出来るかどうかも解らないし、失敗ばっかりしていたのに、何故今、立って歩けているのか。そして、自転車に乗れているのか。

それは、とっても簡単です。

成功するまで、やり続けたから。

失敗をする度に、ほんのちょっとずつ改善をして、どうして失敗したのか。どうやったら成功するのかを考えて、後はひたすらやりまくったから、出来るようになった。

けれど、この失敗をして、もう二度と失敗をしたくないから挑戦することをやめてしまったのならば、どうなると思いますか?

失敗したと気付いた時は、それこそ顔を覆いたくなるほど恥ずかしい思いもするだろうし、悔しい気持ちもわき上がってくると思います。

でも、そこでその恥ずかしい気持ちに負けてしまって、向き合う事をやめてしまったら、何にもなりません。

この、失敗をしたと気付いたのに、訂正のチャンスを放り投げ、失敗を失敗のままに放置してしまう状態を、孔子は真の過ち。本当の意味での、失敗なのだと言いきりました。

ならば、孔子は、失敗をしてしまったとしても、それを成長のステップと位置付け、自分の悪い部分を知ることが出来た貴重なチャンスと受け止めることが出来たのならば、それはもはや失敗ではなく、成功への階段、ということになります。

そして、成功するための重要な要素は、赤ちゃんが歩き始めたり、小学生たちが自転車に乗れるまで必死になったのと、同じです。

「成功するまで、やり続ける」こと。

失敗を、正しい失敗にすることが出来、成長の糧とすることが出来たのならば、人生、何一つ無駄なことなど無い。

気付いたら、直す。手探りでもいいから、それを続けていく。

成長するためには、それしか術がない、とも受け止められる言葉です。

【大事なのは、改善する力】

失敗をしたくない。ずっと良い状態で居たい。という願望は、誰にでも有る気持ちですよね。

でも、毎日の占いとか見てると解ると思うのですが、1位の日もあれば、最下位の日だって有る。それに、野球とかのペナントレースとか、サッカーのワールドカップとか、色んなものを見ていると、ずっと1位のチームなんか、どこにもないです。甲子園の優勝校も、毎回同じって事はないですよね。強いチームだって、負ける時もある。スター選手だって、調子の悪い時もちゃんとある。失敗だって、ちゃんとする。作家だって、生涯通しての作品中、名作は一部のみです。ちゃんと駄作と言われている作品だって存在する。

けれど、調子の良い時と悪い時があったとしても、成功している人やチームが心がけていることは、明白です。

それは、調子の悪い状態から、目を逸らさない事。そして、常に改善しようと色んな事を試している事。この二つです。

【新しいことに挑戦する=失敗することを覚悟する】

新しい能力や技術を身につけようとする時、最初から上手くできる事って少ないです。大概、全然解らなくて、どうにも上手くいかなくて、四苦八苦するのが関の山。

けれど、身につけるのに苦労する。失敗ばかりしている、となると、人はすぐに自分には能力がなかったんだ、と思いがちになってしまいます。

これは進学校に入学した生徒を教えていると本当に思うのですが、皆、中学校ではそこそこ出来たので、高校で理解できないものにぶつかった瞬間に、勉強自体を諦めてしまう子が少なくありません。能力があっても、新しい分野に挑戦すると、失敗ばかりで能力が伸びる前に、勉強をしようという心が折れてしまう姿を、沢山見てきました。

大人であっても、これは同じです。

いえ。大人の方がむしろ失敗を恐れているのかも、知れません。皆、失敗が嫌なんです。だから、失敗しそうなものから逃げようとする。避ける。

けれど、そうすると限られた能力の中でしか生きようとしなくなります。するとどうなるか。変わり映えのしない、今日と明日が続き、変わり映えのない未来がやってくるようになる。

だから、逆に言うのならば、今失敗してどん底だと思っている人がいるのならば、逆に言うとチャンスだということです。

失敗を、本当の失敗にする前に、事実を受け止め、正面から結果を見直し、自分ひとりでどうにもならないと思うのならば、人の力やアドバイスを取り入れ、指導を受け、試してみる。

取りあえず、思いついた改善案はやってみる。

必要なのは、ただそれだけです。

空高く飛ぼうと思ったら、一旦沈む必要があります。伸びるためには、一旦かがむ必要がある。そのかがむ瞬間なのだと、どん底を捉えてみてください。

沈んだままで、そのまま座ってしまうのか。それとも、その反動を生かして飛び上がるかは、貴方の選択です。

沈み方が激しいなら、それだけ跳ね上がりも強いと言う事です。伸びしろ、伸ばしてみましょう!

【テスト用紙が戻ってきたら】

大学受験のセンター模試などは、試験結果自体が手元に来るのにタイムラグがあるため、自己採点した直後になりますが、中学校の場合は定期テストの解答用紙が手元に返ってくるのは、数日後です。

その返ってきたテスト用紙を見て、「ああっっ!!!」と顔を覆うのではなく、先ず冷静に模範解答との見比べをし、どうして自分の解答が点数をもらえなかったのかを、確認してください。

これは、点数の低い子であればある程、テスト用紙を見ようとしない傾向があります。(逆に言うと、伸びる人間、点数が高い人間は隅から隅までチェックします)

失敗をした。出来なかったという気持ちが強いため、自分の失敗を観る、受け止めると言う行為が痛くてたまらないからでしょう。気持ちは、痛いほどよくわかります。良くわかりますが、だからと言って、何もしなかったのならば、次も同じ様な点数を取るか、下がるだけです。

なら、先ずしなければならないのは、現実の認識です。

本当に自分が解らなくて出来なかったのか。単なるミスか。そもそも、知識を覚え切れていなかったからなのか。

結果から、原因を探り、原因が解ったならば、その瞬間から改善に向かって進みだしてください。

これは、毎回毎回定期テストの度に生徒たちが言うのですが「時間がなかった」「時間が足りなかった」という言葉を言いそうになった時、逆に自分に問いかけてみてください。

「いつから、勉強を始めたのか」「本当にその時間で間に合ったのか」「準備に充分時間を取れたのか」

それが、全て今回のテストで不十分であったと言うのならば、次のテストに向けて、どう準備すれば良いのか。テスト期間の勉強の開始時期はいつが適切なのか。どれくらいやれば、自分は点数が取れるのか。

毎度毎度判を押したように、「週明けは世界史と古典だから、土日に頑張って用語と古単語を暗記して……」という考え、持った覚えありませんか?土日があるから、大丈夫!! と言う言葉。

けれど、本当に土日でカバーリング出来た経験。どれだけ有りますか?

そもそも、一ヶ月半~二カ月の授業内容。高々、20時間程度(1日、どう頑張っても勉強できる時間って、10時間ぐらいです)で、どうにかなると、本気で思っていますか?

成功している人は構いません。それで良いから、そのスタイルを続けてください。けれど、失敗しているのならば、その方法は貴方にとって合っていない、という事実を先ず受け止めること。そして、改善すること。

ひたすらに、それだけです。

【自分には学力の才能がないと歎く前に】

実力がない。才能がない、と嘆く前に、もう一度考えてみてください。

充分な準備や、やり方を工夫しましたか?

先生や参考書に書いてあることを、試してみましたか?

解き方が解らないなら、アドバイスを誰かに求めましたか?そのアドバイス通りやってみましたか?

「どうせ自分なんかが頑張ったって!!」

うん。でも、そうやって膝抱えてたって、一点も変わらないし、むしろ落ちていくだけだし、二重底って言葉、知ってますか?

自分をちょこっとだけ信頼して、前に踏み出してみましょう。その方が、絶対に毎日楽しいから。その為に、貴方を引き上げてくれる人は、沢山貴方の周囲にきっといるから。

今まで受けたテスト用紙は、貴方専用の、最高の参考書なんです。有効活用しなきゃ、損です。

そして、今悪い点数でも、大丈夫。本番で、良い点を取れるようにするための、あくまでも、「テスト」なのですから。

失敗を、成功の糧としてください。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

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