偏差値が上がる国語のテキストの解き方 難問 小説記述編 (中学生編 その4)


スポンサーリンク

こんにちは、文LABOの松村 瞳です。

毎日、暑い!! 本当に暑いです。夏バテしそうなぐらいですね。水分補給をしっかりして、暑さ対策を心がけてください。私も溶けそうです。(笑)

さて、夏休みのテキスト編。記述の小説編です。夏のテキスト、と書いていますが、これは小説の問題には全て共通の解き方です。なので、頭の片隅に置いてくれるととても便利。ポイントは、評論と小説は全く違う文章で、解き方もアプローチの仕方も違うと言う事。先ず、これを頭の中に叩き込んでください。評論と同じ解き方をすると、必ずつまずきます。楽だからと言って全部を同じ方法でやらないこと。

ピンク
下書きは何より大事

【解答が本文に書いてない? 小説の不思議】

国語のテストに対するアプローチとして、皆が無意識にやっていることは、本文中からの文章抜きだしです。「ここら辺が解答かな?」と思うところを見つけてきて、それを解答欄に当てはまる様に文末を書き変え、整えて解答欄に書き込んでいく。偏差値が上がる国語テキストの解き方その2その3 にも書きましたが、これは間違いでは有りません。寧ろ、スタンダードな問題の解き方です。

けれど、その初歩的な考え方だと、小説の問題。特に記述は解けません。びっくりするぐらい、解けなくなるのです。

これは、小説が何を描いているものなのか。そして、何の目的を持って作られている作品なのか、という事に起因します。

説明文、評論文は人に何かを説明する文章です。だから、明確で答がはっきりしている。実験結果なども数字で載っていますし、過去の事実を資料として使い、答も明確です。接続詞も明確に使われているから、目印があって見つけやすい。なので、国語の点数を上げたいのならば、まずこの評論文からアプローチするのが一番です。

けれど、そのやり方をずっと続けていると、七割ぐらい出来るようになっても、その上に行けなくなります。そう。小説の問題がネックになってくる。

何故ならば、小説の記述問題。「どのように」「何故」という二つの質問の答は、文章の中には明確に書いていないのです。探しても、見つかる筈も無い。だって、元々文章として書いてないのですから。

 

【小説が描いているのは、目に見えない謎】

ヒューマンドラマ、成長物語、恋愛物、ファンタジー、戦争物、歴史物。様々なジャンルが小説には存在しますが、小説が描いている存在は、人間です。主人公、という一人の人間の視点や行動を通して、何かしらの問題に向き合い、その状況の中でどうにかして成功しようと足掻き、もがく姿を物語の中で描きます。その葛藤する姿や、主人公が巻き込まれていく困難な状況。そして、その中でどんな反応をするのか。この主人公は一体どうなってしまうのか、という事に、私達は惹かれ、魅了され、物語の中に埋没していく。

その大きなキーポイントとして作用しているのが、『謎』です。

推理物でなくとも、物語の中には必ず『謎』が存在します。『謎』が無い物語なんて、面白くも何とも有りません。主人公達か訳の解らない状況に叩きこまれ、「なんでだよっっ!!」と言いながらも、諦めずに立ち向かっていく。または挫折するその姿や、愚かな行動を選択してしまったのならば、その選択の結末がどうなるのか。そんな先の見えない『謎』や、主人公自身がどうしてこんなに頑張れるのか、といった人物の動機や状況、環境の『謎』など、様々なものがお話の中に散りばめられているから、私達は夢中になる。

小説家は、それをちゃんと解っています。人間は謎が有るものに惹かれると言う事と、それを読者自身が疑問に持つように誘導しないと飽きられてしまうこと。説明口調は、小説にとって害悪だと言う事を解っているから、出来るだけ説明を省いて、可能ならば全て消して、物語を進めていこうとします。

漫画やドラマ、アニメなど、映像作品で考えるととても解りやすいです。主人公が、「今、私は怒っています。なぜなら……」なんて、話の中でいう筈が無い。大抵、いきなり怒り始めたり、いきなり友達から怒られたりして困惑し、「どうして?」と問いかけても、反応はない。明確な答なんか、台詞に有る筈も無い。

だから、抜き出す為の文章を探しても、無駄です。なぜなら、人の行動の理由や、どうしてそんな行動をしているのか、なんて実生活の中でも明確に見えることなんか、有る筈が無いからです。

それを小説は、環境や状況。そして、人物の態度や行動などで表現しようとするのです。

【感情を読み取るヒントは天気や自然描写】

晴れと雨。皆さん、どちらか好きですか?

圧倒的に晴れが良いものだと思いがちですが、こう書いてあったらどう思います?

 

・カーテンの隙間から差し込んできた光が、指す様に目に痛い。うるさいアラームを止めると、身体が一層重くなった。燦々と差し込んでくる陽の光が、床を照らし出している。その健康さに、思わず眉を顰めた。

 

何があったんだよ……と問い掛けたくなるぐらい、重―い雰囲気。取り敢えず、機嫌が悪いことは解ります。朝、起きたくない事も、今日、何か主人公にとって嫌なことが有ることも、伝わってくる。でも、それが何かは解らない。解らないから、人は興味を抱き、先を読もうとする。けれど、このヒントに気が付かないと、問題が解けなくなってしまいます。

取り敢えず、この主人公は晴れが嫌なんだ。と言う事を、此処で記憶しておきます。

 

【記述は連想 少ない文から足していき、解答を作っていく】

つづき。

・泥の様に重たい身体をどうにか持ち上げた瞬間、壁に貼ってあるカレンダーが目に入る。体育祭という文字に花丸がつけてあるのは、妹が悪ふざけで書きこんだからだろう。

「どうせ、来たって無駄なのに……」

来たって、幻滅するだけだ。




スポンサーリンク


シーツの上で、聡は思わず膝を抱え込んだ。

 

 

はい、問題です。

聡が「膝を抱え込んだ」のは、何故ですか? こたえなさい。

出来れば、解答を読む前に紙に書き出してください。現役はとくに。

国語の解答は答を見てしまったら何の意味も有りません。苦しんでも、兎に角書く。その積み重ねが大事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、解答です。

自然描写から、兎に角この聡という男の子が不機嫌だと言う事が解る。気分が最悪なのですね。

だとすると、解答の基本は

『嫌だから』

という事になります。これだけだと、何がなんだか解らない。だから、付け加えます。情報を足していく。

何がこの男の子は嫌なのか。今日は体育祭らしい。これを付け加えてみる。

『体育祭が嫌だから』

主語もつけましょう。

『聡は体育祭が嫌だから』(膝を抱え込んだ)

と、後ろに問題部分を付け加えると、きちんとした文章になります。なので、続く様に考えてみる。

少し、解答らしくなりました。これだけでも、半分くらいは点数になります。なので、此処を必ず抑える。大部分の記述の苦手な子は、此処までも出来ません。国語の解答は文末が命です。そこをずらしてしまったら元も子もない。採点する側も、此処が書かれていないと点数に出来ないし、丸も出来ないのです。小説の解答は、『理由+感情』がセットになっている事も合わせてチェック。

更に、解答を足していきましょう。

聡は何が嫌なのか。答は唯一の台詞に有る。「来たって無駄」です。これの主語は聡でしょうか?

違いますよね。体育祭に来る人間。妹、という描写。ふざけて兄の部屋のカレンダーに丸をつけた、という事も合わせて考えれば、体育祭に来るのは、「妹」となります。聡は「参加する」側。妹は、「来る」側です。

それが嫌だ。そこを解答に書き加えましょう。

『聡は妹が体育祭に来るのが、嫌だから』

更に、「幻滅するだけ」「無駄」という言葉の意味を考えます。誰を幻滅させるのでしょうか? 体育祭に来る相手。つまり、妹ですよね。どうしてかは此処まででは解りませんが、体育祭に妹が来て自分を見たら、きっと幻滅させると、少なくとも聡は思い込んでいる。だから、当日に晴れた天気を見て、気持ちが沈み、動きたくないから膝を抱え込んでいるのです。

『聡は体育祭に来る妹を幻滅させることが嫌だから』

これが解答となります。

問題の文章と見比べてみてください。どこにも解答の文章と似た部分は有りません。幻滅、という単語が使われているぐらいで、ほぼ文章は作り出したものです。

 

【小説の解答は、自分で書く】

この手順通りに、テキストでも隣にノートを置いて試しにやってみてください。

写しても、無駄です。探しても、あなたの欲しい解答は有りません。だって書いてないから。答っぽい単語は有りますが、文をまる写しすることは出来ないのです。

だからこそ、小学生の時に読書感想文などで自分の文を書く、という事をやってきた子はこの記述の書き方を自然と身に付けています。探しても、理由は書いていないことを何となく解っているのですね。でも、そんな積み重ねは今からだともう出来ないと嘆く必要は有りません。

自然と身に付かないなら、意図的に計画的に身に付ければ良いだけです。

ポイントは探さないこと。そして、登場人物の気持ちをまず、推測すること。

「この人は、今どんな気分なのだろう」

そういう視点を持って読むだけで、がらりと変わってきます。気が付けることも多くなってくる。

受動的では無く、能動的に自分で積極性をもって文章を読むと、情報が面白い様に入ってくる。この感覚をまず、練習で身に付けてください。

 

【小説は、最初に人物の気分を探る】

この人は、一体どんな気分なのか。

それ一点を集中して探ってみてください。あれもこれもとやりたがると、大抵失敗します。先ずは一つのことを徹底してやりましょう。

 

此処まで読んで頂いてありがとうございました。

 


スポンサーリンク



コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください