こんにちは、文LABOの松村瞳です。
調子良く点数が上がってきた子。もしくは、絶好調で上位に居た子が、急に崩れ落ちるように点が取れなくなってくる時が、指導していてもたまにあります。
単なる調子が悪かったから、とか、問題との相性とか、その時の体調とかいろいろ原因はあるんですが、実はもう点数が充分上がったから楽をする。という現象で点が下がる時があります。
一回分かったから、もう大丈夫。
そう思いたくなるのも分かるのですが、それって、本当……ですか?
【解らないからこそ、解ることが快感になる】
勉強は楽しくするものだというのが、私のモットーです。
楽しくない状態だと、続けている事自体が辛い。続ける気力が無くなってくる。だから、基本的に何かを理解するのは楽しい事だと、伝えることを重点的に指導する時心がけています。
分かると楽しい。出来ると楽しい。
それを身につけるのが、一番続けるのに必要な原動力です。
けれど、この楽しさって、その前提に「解らない」「出来ない」という感覚があるからこそ、手に入れられる物です。
解らないという辛い状態を知り、考えて理解することで「解った!」という楽しさや、快感を手に入れられます。
この、「解らない」という状態が前提にあって、「解る」という感覚が楽しめる。だから、「解る!!」ばっかりやってると、解った時の快感もへっていくし、「解らない」という感覚と向き合うことが嫌になっていく時があるのです。
【解らないことに向き合うのは辛いこと】
「解らない!!」は、実はとっても辛いことです。
必死に頑張ってきた子ほど、出来ない問題に向き合って出来ないと、まるで自分の全てが駄目になったかのように思いつめる子がいます。
真面目で、頑張り屋さんが陥ってしまいがちなんですが、それだけ「解らない」って気持ち悪いんですよね。辛いし、本当にきつくなる。
だからこそ、理解できなかったものが理解できるようになったり、書けなかった記述が自然に書けるようになったり、時間がかかっても理解できるようになると、とてつもなく嬉しくなるものです。
だからこそ、出来た瞬間に喜んで、「もう大丈夫!!」と努力をやめたり、丁寧さが無くなったり、ほんのちょっと油断してしまうんですよね。
ああ、もう大丈夫。だって、出来たし!!
と、勉強をやめてしまうんです。だって、つらいし、面倒だから。
【勉強は坂道と一緒】
勉強だけでなく、何事においてもそうだと思うのですが、何かをやっていてとても辛い時。苦しかったり、本当に投げ出してしまいそうなくらいに追い詰められている時って、実は自分が成長している時なんですよね。
苦しかったり、辛かったりすることは、出来れば逃げたいです。
現在ブラック企業が問題になり、良く話題に上がっているからこそ言いますが、それが周囲から押し付けられたものだったり、自分が望んでいない状況ならば、辛い時は逃げるが勝ちです。いじめもそうです。
けれど、何かの技術だったり、学力だったり、知識だったり、今までの自分に無かったものを身につけようとするのならば、辛いのは当たり前です。だって、今の自分には無い能力なのだし、出来なくて当たり前のところに挑戦をしているのだから、身に着くまで時間もかかります。一度出来たからといって、毎回それが出せなければ、本番には通用しません。
だからこそ、辛かったり、きつかったり、苦しかったりする時。自分にこう言ってみてください。
今辛いのは、自分は坂道を昇っていて、成長している時だからんなんだ、と。
坂道って、昇るの辛いですよね。やめたくなるし、帰りたくなるけど、辛い一歩を進めば、確実に上に昇れます。上に向かって進んでいるから、辛いんです。
能力が上がっているから、辛いんだ。今、自分は成長しているんだと自分に告げてください。言ってあげてください。
逆に、その辛いところから抜けて、楽になったと思っているあなた。
赤信号です。
【楽だと思った瞬間に、下がっている】
坂道と逆です。苦労して、頑張って、段々楽になってきた。
楽になってきたからこそ、また次の段階の壁に向かおうと、更に努力を続けるタイプと、やっと出来たと楽になって、努力をやめてしまうタイプがいます。
気持ちは、とっても良く分かる。
苦労して、努力をしてきたからこそ、やっと成し遂げた。目標点数をクリアしたと思った瞬間。
ああ、もう大丈夫だと、努力をやめてしまうのです。
これの怖いところは、本人にまったく自覚が無いこと。そして、周囲も調子が良く上がってきているのだからと、注意することも無くなってしまい、気が付けなくなってしまいます。
最後まで努力し続ける子は、ずっと自分の出来ない部分や辛い状況に向き合える子です。むしろ、解らない問題。解けない問題を楽しむタイプです。
ああ、楽だ。もう大丈夫、と楽な方に流れた瞬間。能力の低下が始まります。
それはもう、坂道を転がり落ちるかの如くに、落ち続けていきます。
【能力は辛い状況と向き合ってこそ磨かれる】
出来た自分を信頼したくなりますよね。出来たと思いたい。もう大丈夫だと、思いたい。
その気持ちは、とてもよく解ります。
けれど、そう思った瞬間。楽な道を選びそうになった瞬間。気を付けてください。
能力の、学力の、下降が始まった瞬間かもしれません。
辛い時は成長しているんだ。楽な状況になってきたのならば、もう少し難しい問題に挑戦してみたり、時間を半分にしてプレッシャーをかけてみたり、レベルを上げる方法は色々あります。
レベルを上げ続け、坂道を昇っている途中で。なんなら受験中も昇っているくらいの感覚で、本番を迎えてください。
今頑張っている全ての人に。
辛いと思っているのならば、成長している証拠です。あなたの能力をどんどん伸ばしてください。
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。
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