こんにちは、文LABOの松村瞳です。
大学後期試験の合格発表日である今日。合格を手にした受験生の皆さま、本当におめでとうございます。そして、挑戦に敗れた人は、今は思いっ切り泣いてくだい。頑張った分、辛いのは当たり前です。
だから、その辛いという気持ちを、先ず、今は受け止めてください。大丈夫。受験であなたの人生全てが決まったわけでも、終わったわけでも有りません。
でも、今は泣いてください。もう一回立ち上がるには、時間が必要だから。
では、そんな日に。
一年、頑張った受験生たち。そして、これから受験に立ち向かう人達に、苦しい受験を経験することで、みにつく能力。そして、得られる能力や精神力をまとめていきます。
受かった子、落ちた子。それぞれ、みにつく能力があります。経験は決して無駄にはなりません。
辛く苦しい受験。
けれど、辛いことに立ち向かったならば、立ち向かっただけ、得られるものもまた貴重なものです。
周囲から、雰囲気が変ったと言われたら、それはあなたが自然に成長している証です。
【得られるもの その1 自分が有能では無いという感覚】
受験に受かったのに有能では無い? 矛盾していないか? と思われるかもしれませんが、能力が高い人が受験に受かるわけではなく、能力を伸ばした人が結果的に能力が高くなり、受験に合格します。
もともとのポテンシャルが高い人も、居るでしょう。
けれど、そのままの状態で受験に受かる人は殆ど居ません。やはり、ポテンシャルが高い人で有ったとしても、どこかしら欠点はあるものです。
なので、個人個人。それぞれに乗り越えなければならない壁が存在するのです。
-人は能力を伸ばそうとする時、必ず壁にぶちあたる-
出来ないこと、というのは個人個人に必ずあります。
そして、受験と言うのは等しく全ての教科において、ある一定レベルを求められるもの。無論、例外はありますが、それが良いと思われているものです。
だからこそ、苦手分野や自分の弱い部分。出来ない部分に、どうしても向き合わざるを得ない状況に立ちます。
そして、出来ない部分に常に向き合う、と言うのは、想像以上に辛く、苦しいものです。
-自分が出来ないと認めないと、向上はない-
そこで、タイプは二つに分かれます。
ひとつは、勉強してないんだから。苦手なんだから。やっても意味ないからと、言い訳をして逃げるタイプ。もともとの能力が高いタイプに多いです。今まで、出来ないことに向き合った経験が無いので、辛さに堪え切れず、逃げるタイプ。
もうひとつは、自分はこれが出来ないんだと認め、その事実を正面から受け止めて、そこで諦めるのではなく、「だったら、自分はどうやったらこれを乗り越えられるだろうか」と考えるタイプ。
伸びる人は、自分の無能さ。出来ないという事実。ある意味では残酷な事実を、真摯に受け止めます。そこから逃げようとは。しません。
-出来ないことと向き合う感覚-
出来ないことと向き合う、と言うのは気持ちが悪いものです。
だって、何を言っているのか解らない。どうしてそうなるのかが、参考書を読んでも、説明を聞いても、全く解らない。
解らない、という感覚が、自己否定に繋がり、ノイローゼになっていく子も居るほどです。それぐらい、「出来ない」という感覚と向き合うことは、辛く、苦しいもの。
そして、出来ない自分は駄目なんだと、自信を全て無くしていってしまう子も居ます。
けれど、その出来ないことが一つでも良い。出来るようになった感覚を手に出来ると、俄然、今までの苦しみが嘘のように、勉強することが楽しくなります。
それを経験することで、「出来ないに向き合うことは、悪いことじゃない」という経験を、無意識のうちに学びとっていきます。
-真摯な努力に繋がっていく-
出来ないことが出来るようになる。
たったそれだけなのですが、その感覚を味わうと、変な言い方なのですが、病みつきになります。苦しい状況が、一変して「この苦しさの向こうには極上の達成感がある」ということを知る訳ですから、「出来ないこと」に向き合うのが、怖くなくなっていくのです。
傍目には、ただ問題集を繰り返しているだけに見えるかもしれませんが、精神的や心理的には、驚くほどの成長を遂げています。
そして、それが真摯な努力に繋がっていくのです。
本人は、結構楽しんでやっているんですけどね。(笑)
【得られるもの その2 不安と向き合う勇気】
不安は、とても嫌なものです。
出来れば付き合いたくないし、そんなものを感じずに生活出来るのならば、それがとても良いことのように思えます。けれど、一発勝負の受験は、その不安と否応なく向き合わなくてはいけない壁です。
だからこそ、この不安と向き合う勇気が身につき、タフになっていく。何かを得ようと思ったら。何かを達成しようと思ったら、出来なかった時のことや、暗い未来の不安を長期間抱え込み、向き合わなくてはなりません。
-精神的な向上-
この不安と、逃げずに向き合った人は、本人は無自覚ですが、周囲からはびっくりするぐらい大人になったと言われるでしょう。
それ位、大人であったとしても、不安を抱え、その不安と向き合いながら自分の能力を伸ばすことに挑戦し続けることは、怖いことです。
その怖さに向き合い続けることは、驚くほどの精神的な成長を遂げられます。
-人間は頑張った時ほど不安になる-
偶に出てくるのが、「俺、別に受験で不安になったこと、無いし。らくらくクリアできたし」と自慢する子がいるのですが(笑)女子も居ますね。この系統。
それって、あなたは「自分の限界に挑戦せず、不安を感じる状態から逃げ続け、戦わなくとも勝てる場所でしか戦わなかったひきょう者」だって、自分で宣伝していることになりますよ。
ポテンシャルの高い子ほど、高校受験ではこんな風になりがちです。
人は、言い訳できない状況で、真摯に頑張り続けた時ほど、恐ろしいほどに不安になります。
やれるだけのことはやった。全てやってきた。それでも、本番で出来るかどうかは未知数で、自分の能力を全て出し切れるかなんて、やってみなければ解らない。不安になって、当たり前であり、不安にならない方がおかしいんです。
緊張せずに受験を受けられた、と言うことは、「落ちる」か「受かっても、逃げた結果、受かる場所にしか行かなかった敗残者」のどちらかであることが、とても多い。
「落ちた」子はまだ良いです。壁に突き落とされた訳だから、改善のチャンスが目の前にあります。けれど、受かってしまった子は、これからの長い人生の何処かで、その壁に向き合うことになる。恐らく、受験とは全く違う形で、更にもっと酷く、辛い状況で直面することになるでしょう。
-不安と向き合う貴重な機会-
同じ年代の子供たちが、一斉に共通の壁にぶつかる、貴重な機会。
自分だけがこんなに辛いんだ! なんて、悲劇のヒロインになれません。だって、皆辛い。それぞれに辛いことに向きあっている。そして、どれだけ余裕がある様に見える人でも、受かる保証なんて何処にも有りません。
どんなに楽そうに見える人でも、あなたと同じ様な不安と向き合っているのです。
一人で戦っている訳じゃない。
そんな機会、滅多にありません。同じ様な不安を抱え、同じ様な困難なことにぶつかっている。そのなかで、本音を話し合ったり、いろんな対策を立てている友人達から学んだり、様々なものに触れる機会。その機会を通して、無意識に色んなものを学んでいけます。
-向き合い、受け止める-
不安と戦っても、意味は有りません。
戦おう。ねじ伏せよう。感じない様にしよう、というのは、一種の「逃げ」です。
そんなことをしたら、より大きく、化物のようになって襲ってきます。きっと、あなたが一番感じたくない時に、一番嫌な形で襲ってくる。
戦うのではなく、向きあい、そして、受け止めましょう。そして、不安を感じている、ということは、今自分は頑張ってのびようとしている時なのだ。挑戦しているのだと、自分を褒めましょう。
不安は、悪いものではない。
なって当たり前だし、感じて当たり前です。だからこそ、人は頑張れる。
それを理屈ではなく、感覚で学びとることが出来ます。
-足を止めず不安を抱えたまま動く勇気-
不安の最大の弊害は、何も出来なくなってしまうことです。
やることは沢山あるし、やらなきゃならないことは沢山あるのに、不安でどうにもこうにも手が動かない。
こんなことやってて、意味があるんだろうかと思っちゃう。そうやって頭の中でぐるぐる考えて、何にも出来なくなってしまうのが、不安の最大の弊害です。
それを知っていると、「ああ、何も手が付かなくなっているのは、不安だからなのか」と、冷静に今の自分を受け止められるようになります。
微々たる一歩でも、続けていけば、成果は大きい。
この不安を抱えたまま、それでもやり続けられる忍耐力や勇気を、行動することで手に入れられるようになります。
何せ、形振り構っている余裕は、ありませんから(笑)
【得られるもの その3 試行錯誤】
そして、此処からは具体的な行動力です。
試行錯誤。トライ&エラーです。
やってみて、試してみて、失敗して、改善する。
この繰り返しのみが、唯一能力向上の道へと続いている事を、学び取ります。
そう。最初から完璧に効果がある方法なんて、無いんです。自分で、やってみて、色んな人に相談し、アドバイスされたことを試してみて、効率化していく。
つまり、失敗を経ないと、改善は有り得ません。
沢山成功している、ということは、影で沢山失敗を経験していることと同義なのです。
-すばやく行動する、腰の軽さ-
何度も何度も書いていますが、成績が伸びる子は兎に角行動が速い。誰よりも早くやります。
ちょっとしたことも、すぐ実行し、そして失敗も山ほどします。それを苦に思わないし、失敗して、そこで終わりじゃないんです。
-試して失敗して改善する-
失敗した時の、人の対応は次の二つです。
ひとつは、失敗したことを隠す。必死に言い訳を積み上げ、失敗をコーティングします。それこそ、本人も無意識のうちに。
もうひとつは、「何故失敗したのだろう」と考える子。
伸びる子は、失敗に対して言い訳をしません。悪かったと、自分も責めません。そのことを考えたって無駄と知っているのです。
あるのは、どうやれば上手くいったのだろう、という、ただそれだけです。
-計画的なものの考え方-
失敗すると様々なポイントが見えてきます。
準備が足りなかった。なら、今回始めたのは何時からだったのか。
小さいテストでは間に合っても、大きいテストでは間に合わなかったということは、根本的な能力が備わっていない。それを備えるためには、どうすればいいのかと考え始めます。
そうすると、どうしたって考え方か計画的になっていく。
その計画の立て方も、大抵最初は失敗します。そうすると、もっと改善していく。情報を集め始める。
その知識欲は、とても貪欲です。そして、知った方法は、取り敢えず試す。この試す、ということに対して、こちらが驚くほど腰が軽く、行動が速いです。
-能力がないのではなく、やり方が悪い-
改善のポイントは、自身を責めないこと。これに尽きます。
殆どの子は、「自分には才能がないから」と頭を項垂れますが、そうではありません。才能なんて、皆持ってます。けれど、持っているものは、それぞれ違う。だからこそ、あなたにあった能力の磨き方、というのがあるのです。
それを探し、試す。
能力が足りないのではなく、やり方が合っていない。何か、駄目なポイントがあるから、何処を改善すればよくなるのか。と、考えること。
失敗した時に、自分で自分を責めない。
だからこそ、改善にすぐ動けるのです。
そのサイクルが早いから、成功に近付くのは、道理ですよね。
-自分の頭で考え、自分で試す-
そして、此処が大きな特徴なのですが、人からのアドバイスは真摯に耳を傾け、実行し、自分に合うやり方を模索し続けていくと、次第に自分の頭で最善の方法を考えるようになってきます。
自分の頭で、自分に最適な方法を考える。創意工夫です。
そして、試し、失敗し、何故かと考え、改善し、また試す。
そんな、社会人になってから一番必要とされる臨機応変に対応できる能力と、精神的なタフさ。行動の速さを、受験を通して身に付けることが出来るのです。
【まとめ】
受験で得られる能力・精神力
その1 自分が有能では無いという感覚
その2 不安と向き合う勇気
その3 試行錯誤能力
今年、受験に向き合った人。
そして、これから受験に向き合う人。
何かしらのヒントになれば幸いです。
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。
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