2018年度(平成30年度)センター本試験 国語 評論解説


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センター本試験 国語 評論の解説です。

問題⇒2018年度本試験国語問題(朝日新聞のサイトに飛びます)

【本文内容】

デザインが人の心にどれだけの影響を及ぼすのか、ということを様々な例示を分析することによって、人は環境にデザインという意味で加工し、影響を与え、そしてその加工した、いわゆる人工の環境に影響を受け続ける、不可分の関係であることを指摘する。なので、常に環境に影響を受け続けているということを根拠に、現代の心理学に対しての問題点を指摘するというように、本文が展開していっている。

ここで、ポイントはこの評論の部分は、明確な結論まで至っていないということです。

デザインは人にとってものの受け取り方を変えさせるものであり、また人も物をデザインすることによって、違う使い方の可能性を見出すのだから、周囲から影響を受けること。そして、人は周囲の環境を変化させる事が出来る双方向の関係であることを分析します。

そして、ここから最後に心理学の欠点に言及します。

この環境と人とは切り離せない状態であることを視野に入れていない心理学は不完全だからこそ、それを考慮に入れた「心理学’(心理学ダッシュ)」が必要になると。

なので、結論はなく、論の展開の途中であった、ということが大きなポイントです。

では、それぞれの問を確認していきます。

【問1】

問1は漢字です。

(ア)意匠=デザインのこと。
(イ)踏みこめない
(ウ)乾いた
(エ)摂理=万象を支配する法則
(オ)洗練

それぞれ、漢字は特筆することなく難しい部分はなかったかと思います。唯一有ったかなと思ったのは、意匠。正解は巨匠の②でしたが、匠の字が思い浮かばなかった以前に、意匠という言葉を知らなければ、取れません。

漢字の問題、というよりも、語句、語彙力の問題である雰囲気を強く感じました。

語彙力は一朝一夕では身に付きません。英語の単語と一緒です。

身につけようと思ったならば、それに常に触れている必要がある。必要があるものは忘れません。

日本語で読めるから、覚えようという意識が働かないのかもしれませんが、その小さな怠けがのちの大きな差になってしまう分野でも有ります。

もし、来年のセンターに備えるのならば、今この瞬間から解らない言葉をメモを取り、日常的に使うように心がけてください。

【問2】

傍線部A「講義というような、学生には日常的なものでさえ、素朴に不変な実在とは言いにくい。」とあるが、それは何故か。

定番の問題です。

日常的なもの=当たり前のもの。普通のもの、存在。

不変な実在=変わらないもの

です。これを置き換えてみると、「日常的な普通の、当たり前の事でも、変わらない存在として受け止められることは、ない」=「日常的な当たり前の事でも、様々な意味合いや存在として受け止められることがある」ということなので、解釈が多様だと言うことを書いてあるものを選べれば良い。

私たちの世界は、その解釈が多様で一つに否定されないと書いてある、②が正解。

①は受講者の目的と態度が授業者の働きかけで変わることを、理由とはしていない。
③学生の学習効果の上下を問題にしているわけではない。
④環境が多義性を持ってるのではなく、私たちが環境を多義的に解釈し、受け取っていると本文では書いてあるのだから、主語が違う。駄目。
⑤特定の場、という表現が問題の日常的という言葉とかけ離れている。間の関係についても、本文に言及なし。

【問3】

例年とは違う、特殊系の問題。

傍線部Bの内容について、生徒が話し合っていて、その会話文の途中が空欄になっています。

それを埋めるタイプの問題。

この穴埋め問題は、やり方にポイントがあります。

会話文なので、空白の前後にヒントがある。中学校でやったテクニックです。
空欄の直前は、




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「デザインを変えたら扱い方を必ず変えなければならないということではなくて、(          )ということになるのかな。」

「そうか。それが『今とは異なるデザインを共有する』ことによって~」

となっています。

会話は内容が繋がっているものです。ならば、見るべきは前後の会話で何を話題にしていたのか。

~ということではなくて、という部分は、対比の基本的な書き方です。ならば、その下は対になる文句が来るはず。

「デザインを変えたら扱い方を必ず変える」

そうではなくて、

「解答としての文章」

となるはずなので、話題のポイントになるのは、「扱い方」となります。

この「扱い方」を使ってある選択肢は、①②⑤のみ。

①どう扱うか
②無数の扱い方
異なる扱い方

と表記されています。ここで再度、空白の直後を見る。「異なるデザイン」と書いてあります。

この二つが重なっている⑤が正解。

「⑤形を変える以前とは、」という部分も、「デザインを変えたら」という対比の頭と呼応しているので、文章のルールがきちんと見ぬけていれば、共通語を見つけるだけでOKの実は楽な問題でした。

逆に言うのならば、文章を書いたことが無い人にとっては、厳しいものであったかもしれません。

解答⑤

【問4】

傍線部C「このことは人間を記述し理解していく上で、大変重要なことだと思われる。」とあるが、どうしてそのように考えられるのか。

このこと、は指示語です。

更に次の段落で話題が変わっているので、このCの部分の前に書かれている部分に答は書いてある。

そのCが入っている段落冒頭と、Cの直前に、

「私たちの住まう現実は、価値中立的な環境ではない。」「自分たちの身の丈に合わせてあつらえられた私たちのオーダーメイドな現実である。」

と有ります。

つまり、自分たちに合うように、変化させてきたのが私たちの現実だと言っています。

自分達に都合の良いように環境をデザインし、それを知覚してきたことが、人間を理解するのに重要だと。なぜならば、この私たちを囲んでいる現実は、人間が都合のいいように作り変えてきたもので、自然な状態ではないことをふまえると、それだけいろんなものに影響を与えている人間の理解がより進むから。

これが解答になるので、過不足ない③が正解。

①は、現実は、人間にとって常に工夫される前の状態、という冒頭がすでに駄目。
②は、自然のもたらす形状の変化に適合し、新たな習慣を創出~という部分が間違い。そんなことは、本文に書いていない。
④現実は、特定の集団が困難や師匠を取り除いていく中で形づくられた場である、ということは、本文に記載はない。間違い。
⑤現実は、人工物を~必然的に対応している、という表現が駄目。環境を改変し、変化させてきた。人工物ではないし、対応もしていない。

改変、変化、という言葉が、③にしか使われていなかったので、それで気付けると判断と処理も早く済んだと思う問題。

 

【問5】

傍線部D「『’心理学(しんりダッシュがく)』の必要性」とあるが、それはどういうことか。

ポイントは、環境は常に人間に影響を与え続け、人間もまた環境を常に改変し続ける、相互不可分な存在であること、が明記されているかどうか。

それが明記されている選択肢は、①と④。②③⑤はそれが書いてないので、ばっさり捨てる。

④は、デフォルトの環境デザインに対応させて記述する、という表記が間違い。

デフォルトは、注釈にあるが、意味は「もともとそなわっている、初期設定」ということ。もともと備わっている環境デザイン、初期設定の環境デザイン、などというものは存在しない。人間は、常に環境に変化を加えているのだから、初期設定は人間が存在しない環境、ということになってしまう。不可。

よって、解答は①

【問6】

(ⅰ)

第①~⑧段落の表記において適当でないものを一つ選べ。

はい、来ました。間違い探し。

これは解答が④となります。他は全て合っていますが、④だけ

④第8段落の「私たちはこうした~考える。」と「~、私たちは繰り返してきたのだ。」の「私たち」は両方とも、筆者と読者とを一体化して扱い、筆者の主張に読者を巻き込む効果がある。

となっていますが、前半の「私たち」は、筆者を中心とした学者の立場として。そして、後者の「私たち」は、人類全てを表していて、両者は違う意味として使われているし、筆者の主張に読者を巻き込む効果は、有りません。

この、両者とも、という表現がダウト。

細かいですが、きちんと第⑧段落に戻って読むことが出来れば、一発オーケーです。

今回、このような細かい部分での確認で点数が取れなかった人が多かった。確認は、いつ、どんな時でも大事ということですね。

(ⅱ)

ラストです。文章構成で、適当なものを選ぶ問題。

これは正解が④

ポイントは、主張まで至っていないということです。

論文の、具体例を挙げて分析しているだけで、主張にまでたどり着いていない。非常に中途半端な部分を取り出してきた事になります。

なので、論を展開し、論点を拡張、拡大している。デザインの話から環境から受ける影響、人が行ってきた環境への変化、相互不可分な関係、そして心理学まで話を展開していきます。

なので、主張として提示されている物はないと見なし、④が正解。

以上です。

二次試験がまだあります。是非、センターを一つのハードルと考えて、解らないもの、出来ないものの疑問をすぐさま解消してください。

合った、外れた。取れた、低かった、ではなく、自分の能力を向上させるために頑張ってきたはずです。確認と反省。適切な反省が無ければ、成長など見込めません。

是非、参考にしてください。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

明日は小説です。

 

続きはこちら

2018年度(平成30年度)センター本試験 国語 小説解説

2018年度(平成30年度)センター本試験 国語 古文解説

2018年度(平成30年度)センター本試験 国語 漢文解説


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