変貌する聖女 論理国語 テスト対策 記述編

テスト対策

 

テスト対策問題(後半)

問4

第8段落「新しい角度」とは何か。

解説

これはひっかけ問題に近いです。

「新しい角度」と問題にあると、この「新しい角度」ばかりを気にしてしまって、その対極を忘れてしまうのですが、コツが分かれば簡単です。

「新しい」と言っているわけですから、「古い」角度から、「新しい」角度に変わったわけです。

この、「古い角度」「新しい角度」をそれぞれ具体化できれば、大丈夫。そろそろ慣れてきたかな?そう。難しそうに見えて、やっていることは全部同じなんです。ひたすら、抽象→具体。

論理国語はこれから逃れることはできません。逆に言えば、これさえマスターすれば、なんでも解けるのです。(対応する語彙力と知識量があれば!!!)なので、この語彙力と知識量、教養を身につけるために、ひたすら読んで、書いて、の繰り返し・・・・・なわけなんですね😅

・「古い視点」→キュリー夫人のように、聖女であり崇高な存在としての女性偉人像を捉える視点。
・「新しい視点」→女性たちを1人の生きた人間として、フラットに先入観なく分析して見つめ直す視点。

 

女性たちを崇高なイメージで語るのではなく、生きた一人の人間という観点で見つめるようになったということ。

 

問5

第17段落「「個人的なこと」はあくまで「政治的」なのです。」とあるが、どのようなことを指し示しているか。説明しなさい。

解説

第11段落にも同じ言葉が書かれていますが、とてもインパクトの強い言葉ですよね。
ラストに書かれている言葉ですが、11段落に書かれている部分も合わせて、解答に入れ込んでいきます。

「個人的なこと」は「政治的なこと」
という文章から、記号で言うのならば=関係が成り立ちます。
つまり、
個人的な問題=政治的な問題 になる、ということです。

あえて、ジェンダー問題ではなく、少し外して具体的に考えます。

高校生の個人的な問題、というと、進学先はどうするのか。将来は何になりたいのか。どういった大人になりたいのか。自分はそこに到達できる自信があるのか、行きたい大学に進学できるのか。進学するための経済的な問題はクリアできているのか。

もっと個人的な問題というと、「友達がいない」「彼氏・彼女がいない、できない、欲しい、欲しくない」「夢がない」「毎日が楽しくない」「一緒に勉強していた友人は成績上がったのに・・・・」「SNSではみんなキラキラしているのに、自分は・・・・」「容姿に自信がない」「能力がない」「どうせ私・俺なんか・・・」etc etc……

もうやめて!!と悲鳴がどこからか聞こえてきそうですが😅全部、生徒から聞いた悩みのいろいろです。不思議と悩み事の内容は変わらないものですね。

この超!!!!!個人的な問題が、どうして政治とつながるのか、全くイメージが繋がらないのでしょうが、これが繋がるんです。はい。

それを考えるには、まず「政治」とは何か、を定義づけする必要があります。

ものっすごくわかりやすく単純に言うと、ある集団をリーダーが統治して、集団で何をするのかを決めるのが、政治です。

なので、学校生活のクラスであろうとも、一種の集団で社会です。その中での意思決定は、スクールカーストの上位の人々が決めている(学級長とか委員長ではないのがポイント)。人間は集団の中に所属しなければ生きていけません。少なくともそういうシステムが現在出来上がってしまっている。その中で、グループから除け者にされた人物がいたとします。その人が「私には友人がいない」と嘆いているとして、それはその人のみの問題でしょうか? 環境の作用が発生していないと、言い切ることはできるでしょうか?

そもそも容姿に至っては、時代とともに「美しい」の定義は変化するものです。(平安時代を考えてくださいませ)それに、こんなに現代の子がルッキズムに苦しむのは、SNSでの投稿をみているからです。比較対象が山のようにあり、かつそれを見なければ友人との話題が盛り上がらないとなれば、見ない状況はかなり苦しいものです。(それだけでハブになる可能性もあるほどに)

成績も、偏差値という価値観に否応なく序列を決められてしまい、「やりたいこと」よりも「優秀であること」を望まれれば、とにかく目の前にあるものをこなすことに一生懸命になって、気がつけば「何が好きなんだろう?」と自分に問いかけなければ、好きなものすら思いつかないのも当たり前です。「好きな物なんてないんです・・・・」と、相談に来る子たちは、皆とても真面目で誠実で、努力家です。だから、自分の気持ちよりも先に、親や先生に期待されている方を優先してしまう。そうして、気がついた時には心は疲弊して何もできなくなってしまう。

これは、本当に「個人的」な問題でしょうか?

個人的な問題は、政治的(自分を取り巻く社会の環境)な影響を強く受けているからこそ、生じる問題である。さらに言うのならば、個人で解決し切れる問題でない場合も多くある、ということが、具体的に説明できれば、解答となります。

・個人的な問題→具体化を行う。本文では、家族の問題や、セクシャリティの問題が挙げられている。
・政治的→これも具体化を行う。時代時代の変化を受けて、変容するものであること。
・人間はそれらの影響を強く受け、その影響下で発生した個人的問題に苦しめられているから、個人で対応するにはかなり難しい。
これらを過不足なく、解答に入れ込むこと。教科書p122 l.1~5を参考。
家族やセクシャリティといったような個人的な諸問題は、その時代の社会や文化の影響を強く受けており、時代や場所によって変化する問題であるために、政治と深く繋がっているから、実は個人で解決できるように見えるが、解決できる問題ではないということ
家族やセクシャリティといったような個人的な諸問題は、その時代の社会や文化の影響を強く受けており、時代や場所によって変化する問題であるために、政治と深く繋がっているから、実は個人で解決できるように見えるが、解決できる問題ではないということ

まとめ

記述問題のコツと考え方を、学校の定期テストで徹底的に練習しておくことは、確実に大学受験の記述問題対策になります。そして、ただの課題で読むのではなく、知識・教養としてジェンダー問題やフェミニズム運動がどのように発展してきたのかを自分でも調べて見るようにしてみてください。

人は、環境から逃げられません。

けれど、成長すればするほど、自分で環境を選ぶことも、環境を変えることもできます。

自分の今悩んでいることや個人的な問題が、何に影響されているのか。強いバイアスがかかっていないか。なぜ、自分はそう思い込んでしまうのか。それらは、誰かの言葉に、または集団に影響されているからではないか。

そう、立ち止まって自分に問いかけ直すことができたのならば、この課題文を読んだ意味があります。

ぜひ、個人的な問題で悩んだ時こそ、この表論文を思い出してみてください。

それでは、テスト勉強頑張ってください。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

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