こんにちは、文LABOの松村瞳です。
夏休みももう終わり。学校や地域によって時期はまちまちですが、今週から学校が開始し、新学期が始まります。
そして、夏休みが終わった9月が、最もいじめによる不登校が多くなる時期でもあります。
当然、と言えば、当然ですよね。4月~7月半ばまでは、あともうちょっと頑張れば、夏休み。学校に行かなくても良くなる。いじめられる日々から逃れられると頑張ってきた子達が、一旦休みに成り、ほっとして、人から馬鹿にされたり酷い言葉を言われたり、酷い場合は蹴られたり、殴られたり、無視されたり、存在がまるで無いかのように振舞われたり……
毎年毎年耳にするいじめの陰惨な実情は、悪化の一途をたどっています。ことによると、テクノロジーによる相互監視が可能になった環境が拍車をかけ、誰もがほんのちょっとしたボタンの掛け違いで、いじめに発展してしまう事も少なくないのです。
いじめを受けてきた子達の指導を通し、調べたこと。そして対策と改善法を、新学期の始まるこの時期にお話したいと思います。
もし、少しでもあなたがいじめに苦しんでいるのなら、何かのヒントになることを願っています。
【いじめっ子を知ろう】
孫子の言葉に、『彼を知り、己を知れば、百戦危うからず』という言葉があります。
相手。つまり、敵。いじめっ子が何を考えて、どういう気持ちでいじめをしているのか。それを知らなければ、対策のしようがありません。まず、相手を知る。相手が何を考えているのか。それを思い込みで無く、分析をする必要があります。理解する必要があります。
良く、ネット上などで「いじめる人間は、いじめが楽しいから、娯楽だからやってるんだよ!」という意見を見ますが、それでは不十分です。何故、人を蔑み、馬鹿にする行為が楽しいのか。誰もが眉を顰める行為がどうして楽しいのか。そこを考えなければ、相手の気持ちは解りません。
表面的な言葉だけではなく、相手の言葉の裏を考えてください。複雑なことではありません。自分だったら、どういう時にこんな言葉を人に言いたくなるのか。それを考えてみるのです。
もし、あなたが今いじめを受けていて、辛い状況を何とかしたいと考える時の注意事項は、
この注意事項、逆を考えると……
あんまり寝ておらず、健康的な食事とは程遠い物を食べ続け、夜部屋に一人で、延々と嫌な記憶を思い出しながら……という状況です。
どう考えても、まともな答が出る状況ではありません。
自分の状況を考え、対策をしたいのならば先ず、最低限、寝て、食べてください。殆どのいじめに苦しむ子供たちは、昼夜逆転状況の生活に成ってしまいます。そして、一人で苦しみを抱え込み、孤独になってしまう事が本当に多かった。
逆です。人が怖くなってしまった時ほど、味方の人と過ごす時間を増やしてください。遊ぶ時間でも何でも良いです。出来ればバーチャルで無く、リアルで。直接会って、一緒に食事をしてください。
一人で居なければならないなら、ぐるぐると思考するのではなく、紙に書き出してみてください。それだけで、随分と違います。
落ち着いた状況で、相手の心を少し、読み解いてみましょう。
相手の事など考えるだけで吐き気がするから、考えたくない。というのならば、それでも構いません。けれど、二度と会わない状況に行けるのならばともかく、相手は同じ学校に居るのです。いじめは遠い関係の人ではなく、近しい関係性のなかで起こるものです。
逃げられるのならば、それが一番。貴方があなた自身の身を守って、大事にしてください。変な対抗心や闘争心、負けた様な気分になるから嫌だと言うのは目を瞑って、ほんのわずかな時間でも安全に過ごせる場所を確保してください。様々な状況で様々な事情があるでしょう。安全な場所なんか何処にも無い、という人も、実際居るかもしれません。
けれど、究極的に自分を一番大事に出来るのは、自分のみです。
だから、自分を守るために色んなところを頼ってください。助けは、求める人間の許にやってくる、と言います。貴方が助けを必要としている、ということを、ちゃんと誰かに伝えてください。見て見ぬふりをしている人間がいるのならば、さっさとその相手に頼るのは諦めて、違う場所に行ってください。行動を起こした者が、結局は勝ちます。
あなたが、あなた自身をまず粗末に扱わないこと。それが第一です。
そして、落ち着いた場所で、落ち着いた気持ちで、冷静に考えてみてください。
何故、いじめをするのか。なぜ、それが楽しいのか、を。
【どんな気分の時にいじめをしたくなるのか】
ちょっと、想像してください。
あなたが今までの人生のなかで、一番幸福だった時。幸せだなぁ……と思った時の記憶を、呼び覚ましてください。単純に楽しかったなぁ、と思える時で構いません。ディズニーランド等のレジャーランドに連れてってもらった記憶とか、友達と思いっ切り遊んだ時とか、逆に家族旅行の思い出とか、沢山好きなものを食べた時とか、そんな時です。その時の感覚を、ちょっと目を瞑って感じて欲しいのです。
思い出しました?
じゃあ、そのままの感覚で、「今日は本当に気分が良いなぁ。気分が良いから、あいつをちょっと殴りに行こうか!」と、思いますか?
「幸せだなぁ。幸せだから、あの子に嫌味の一つでも言ってやろう」と、考えますか?
これを、苛めを受けて苦しんでいる子達と話している時に考えさせると、皆びっくりしたみたいに目を見開き、「有るわけがない」と首を振ります。そんなこと、楽しい時に考え無い、と。
そうなのです。
人の幸、不幸は伝播する、というお話を以前しました。
自分が幸せだと、相手も幸せになってほしいと願えるもの。
と言うことは、相手を殴ったり、嫌味を言ったり、無視をしたり、罵倒したり、仲間外れにしたり、物を盗んだり、酷い事を強要したりする人間達は、総じて暗い何かを抱えています。
本人は気が付いていないかもしれませんが、何かにイラつき、何かに苦しんで、嫌な思いを散々して、その嫌な気持ちを自分できちんと解消することが出来ずに、人に当たり散らしているのです。
自分がイラつき、苦しい時に、あなたが幸せそうでムカついた。原因はたったそれだけです。それだけで、いじめは始まってしまう。
自分がこれだけイラついているのだから、お前も同じ様に不幸になれと、引きずり降ろしているだけなのです。
【いじめを選択している時点で、既に負けている】
いじめっ子の殆どがこの事実に気が付いていません。気が付こうともしません。
どうして自分がいじめをしているのか。何故それが楽しいのか。それを考えると、自分の辛い状況と向き合わなければならなくなってきます。その勇気が無いから、手っ取り早い気分の浮上方法として、自分の周りで幸福そうな、抵抗をしなさそうな人間を選んで貶めている。最低の行為です。
けれど、その最低な行為をしていることに気がつけない時点で、自分の問題に向き合えない弱い人間です。
だからこそ、あなたが引きずり降ろされる必要は、全くと言っていいほど、無いのです。
顔を上げてください。そして、相手の姿をきちんと見てください。冷静になって相手を観察するのです。
あなたは、自分がイラついた時に誰かを攻撃して気分を晴らそう、などという卑怯な手段を選ばなかった人間なのですから、自信を持って下さい。
ここまで読んで頂いて、ありがとうございました。
明日もいじめについて書きます。
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