小説記述問題のコツ〜行動の意味を知る〜その3「笑う」

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

小説の記述問題で難しいのは、登場人物の行動からその裏側に潜んでいる感情を読み取ることです。

文章に書いてある場合もありますが、難しくなればなるほど、その感情が読み取りにくくなってきます。今回は、その代表的な行動の1つ。「笑う」を取り上げます。

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【笑うの奥に潜むものは】

この「笑う」という言葉。

とても単純なもので、誰でもするし、毎日やっているし、別段難しくもなんとも無いものと思ってしまいがちですが、実はその奥にはさまざまな感情を読み取ることができます。

・単純に嬉しい時

・面白いものを見たとき

・好きな人、家族、友人などとあった時

・良いことが思いついた時

など、前向きな感情が行動の原因や理由、切っ掛けになっていることは、当たり前のようにありますが、逆の場面でもこの「笑う」という行動を取る時が人間にはあります。

・悲しくてたまらない時

・相手を馬鹿にし、見下す時(鼻で笑う、など)

・自分の不運を嘆く時

・極度に怖い時

などなど、いろんな場面にこの笑うという行動は出てきます。

そのほかにも、

・答をはぐらかしたい時

・相手に同意をしめす時

・相手を落ち着かせる時

・挑発する時

・自分自身を馬鹿だと思い、自嘲する時

など、その裏に隠れている思いはさまざまです。それを小説の問題では読み取らなくてはなりません。

【行動の裏側にあるものを対比で考える】

そんなもの、読んでいたってわからない!という人がいると思います。大丈夫。見るべきところがわかり、読解を絞ればかなり正確に当てることが出来ます。

何事も、練習です。

まず、「笑う」という人物の行動が、前向きな明るいものに付随するものなのか、それとも後ろ向きな暗い感情に支配されての行動なのかを判定します。

漠然としたものから1つを正確に当てろと言われれば困りますが、2つの大きい方針のうち、どちらに分類されるか、と問われると、意外と当たるものです。

この笑顔は前向きなものなのか。それとも後ろ向きなものなのか。それを小説の本文の雰囲気から見抜いていきます。

ここでは仮に、暗い、後ろ向きなものと判定してみましょう。

【解答への道筋】

1. 「笑う」という行動が、前向きか後ろ向きかを判断。主人公の気分で判定しても良い。

明るいか、暗いか。

そこの場面以降、主人公が明るくなっていたなら、明るい方として取る。

前後で暗い雰囲気が変わらなかったら、暗い方で。

2. 大まかな方向を決めてから、今度はそれを細かく分類。

どんな感情がその人を笑わせているのか。

それを言葉に当てはめていく。ここがとても大事です。重要な部分なので、外さないように文章をよく読むこと。

冷静によく読んでください。絶対にわかるので。

その部分の前後で感情的と思える部分をピックアップして、並べてみると更にわかりやすくなります。

3. その感情が湧き上がった原因を特定。

明るいものであるのならば、

・好きな人に褒められたから。

・認められたから

・欲しいものが手に入ったから

・安心したから

・プレゼントを貰って嬉しいから

暗いものであるのならば

・相手を馬鹿にしたかったから

・皮肉を誰かに言われたから

・大切な人を失った悲しみを改めて自覚したから

・何も成し遂げられない自分自身が情けなかったから

などなど考えることが出来ます。

4. それらを材料として手に入れた上で、

〜(3の理由)〜だから、(2の感情)が湧いてきて、笑った。

という解答の形にはめ込みます。

必ず、理由→感情→行動の順番を大切にすること。

この順序が曖昧になると、正解することが出来ません。

何事も練習です。

これを読んだからといって、すぐ出来るようになるわけではありませんが、当てずっぽうでやっても記述は解答出来ないことを理解してください。

数学と同じ、解き方にはやり方があります。そのやり方を、面倒であったとしても、1つずつ積み上げていきましょう。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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