こんにちは、文LABOの松村瞳です。
【いじめ克服への道】
多くの小・中学生。高校生でいじめに苦しんでいる子達は、今の状況を何とかしようともがいています。そして、大概は一人でなんとかしようとしてしまう。けれど、その努力は大抵空しい努力となってしまいます。何故ならば、いじめの原因の大半は相手の心の中にあるもので、表面的には見えないものであり、いじめている本人もこのことには気が付けていない事が多いのです。
本人も気づいていないものを他人がどうこう出来るはずもありません。
なら、他者に働きかけるのではなく、まず出来ることに目を向けましょう。確実に出来ること。やれることだけに集中し、他人の行動や発言は一旦切り離す。切り離せないのならば、切り離す場所に行く。絶対に相手のいない時間や場所を確保する。そのために、御両親や頼れる先生がいるのならば、頼ってください。わざと遠い塾に通ってみたり、相手が絶対にやらないであろう習い事をしてみたり、安全な場所を見つけます。
けれど、それすらも見つける気力のない子がいるのも、確かです。
いじめの一番の弊害は、動けなくなってしまうこと。そして、この地獄が永遠に続いて、自分は他人から蔑まれて当然の存在なのだと思い込んでしまい、感覚が麻痺して逃げ出そうとすら思わなくなってしまうことです。その余裕がなくなってしまう前に。
ちょっと辛いな。変わらないかなと、思った時や、動けなくなって何もする気なんか起きないけれど、どうにかしたいと思った時に一番効く方法をお教えします。
【睡眠不足になっていませんか?】
まず、お尋ねします。
昨日、何時に寝て、今朝何時に起きましたか?
毎日、何時間睡眠ですか? ぐっすり眠れていますか? 眠るために薬を使っていませんか?
理想的な睡眠時間は、小学校低学年~中学年は10時間。高学年から中学生は8時間以上。高校生は7時間~8時間です。大人でもこれは変わりません。よほど特殊な体質でない限り、短時間睡眠は害悪だと知ってください。
あなたは何時間睡眠でしょうか? 昼夜逆転生活を送っていることはありませんか?
【不眠がもたらすわざわい】
これは経験上言えることなのですが、いじめに苦しんでいる子達は殆どの場合、不眠症に悩んでいます。夜、寝ることが出来ない。朝の目覚めが最悪だ。眠りが浅い、悪夢を良く見る。睡眠中に金縛りにあう。身体が重い。眠るまで、何度も寝返りをしてしまう。
その睡眠不足が一週間続くと、どういう変化を私たちに齎すでしょうか?
世界各地で睡眠不足の研究は絶えずされていますが、この不眠。たった数日間でも続くと、うつ症状、記憶の乱れ、極端にマイナス思考な妄想、それから幻覚を見ることもしばしば。そして、たとえ数日間でも不眠の状態に人間が陥ってしまい、その後ちゃんとした長時間睡眠をとったとしても、その後。不眠症に悩まされる人が多数いることが様々な実験により、報告されています。
極端な場合は、死をも招いてしまう不眠。そこまでいかずとも、不眠に悩まされている人の肌は艶が無くなり、目がくぼみ、顔色が極端に悪くなります。傍目にも、生気が無い、元気がない状態に身体がなってしまうのです。
そして、いじめは弱っている者をターゲットにするのが常套手段です。昨日の暴言があなたを落ち込ませているのだと分かれば、より楽しさを得るために良心の呵責などそっちのけで、またひどい暴言を浴びせるようになります。
不眠は判断能力の低下を招き、さらにはマイクロスリーブという脳が数秒間居眠りを始める、という現象が起き始めます。これは両目がしっかりと開いているのに、脳が眠ってしまい、思考や認知能力が一旦停止をしてしまう症状となる。
もし、その時に自転車などを運転していたとしたら……通学路を歩いていたとしたら……想像するだけで恐ろしい状況になってしまうのは、解るでしょう。
更にそれだけでなく、自制心や道徳心をも欠如させることもある。
つまり、不眠になるとズルをしたがるようになってしまいます。ワークの答えを写そう、と思ったことは誰でも一度や二度、経験があると思います。けれど、それを実行するかどうかはあなたの意志の力や性格が握っているのではなく、睡眠時間が握っていると知ったら、どう思いますか?
まとめると、睡眠不足の人は、顔色が常に悪く、精神不安定で、たまに目を開けたまま居眠りをしていて、ズルをしやすくなり、すぐ落ち込み、交通事故にあいやすく、酷くなると身体の老化が早まって、更に太りやすくもなる。
逆に、8時間睡眠をきちんと取っている人は、どうなのか。
すべてを逆にとらえると、常に肌つやが良く、精神的にとても落ち着いていて、明瞭に受け答えをし、公明正大で誠実であり、ショックなことがあっても冷静に対処し、常に安全運転で、若々しく、適正体重を保っている、ということになる。
これ、別にいじめられている状態じゃなくても、「ひっ!!」って思いたくなる内容なんですけど、意外にみんな不眠なんですよね。受験勉強まっただ中の生徒には、常に「寝ろ」と言っています。私たちの身体って、眠らなきゃ動かないようにちゃんとなっているんですね。
【きちんと寝るために】
じゃあ、質の良い睡眠をとるためにはどうすればいいのか。
これ聞くと、大概の生徒は早く布団に入るとか、朝に二度寝をするとか、週末にまとめて長時間睡眠をとる、とか答えるのですが、全部違います。
不眠症の人は、大概身体はボロボロに疲れているのに、精神が休まっていない状態で眠れないようになっている時が殆どです。
リラックスが出来ていない。だから、眠れない。
なら、リラックスをすれば良いのかと言われても、常に不安で誰かに文句を言われるのではないかと怯えている子達が、言葉で言われたからと言って急にリラックスできるわけがありません。
ソファに転がって、ゆっくり……と思うかもしれませんが、実は精神が高ぶっているときにリラックスをするには、身体を動かすことの方が効果的なのです。
なので、夜に眠りたかったら、朝にまず5分間で良いので、緑のある場所を散歩してみてください。
汗が出るまでウォーキングする必要はありません。ゆっくりと朝日を浴びて、そうして新鮮な空気を吸いながら、緑のある場所を歩く。早く歩く必要も、ありません。自分が心地いいと感じる速度で、朝10時までに歩いてみる。
すると、脳内でセラトニンという幸福ホルモンが分泌されるようになります。
このセラトニン。朝にしか分泌されず、このセラトニンを沢山出しておくと、夜になってこのセラトニンが睡眠を深くしてくれるメラトニンという物質に変化します。そして、質の良い睡眠をもたらしてくれる。
【困難な状況に立ち向かうには、自分の体調をまず整える】
ボロボロの時に、何を考えても人間は悪いことしか考えません。そして、悪い方に悪い方に考えが流れてしまうのは、大抵夜、一人でいる時です。
建設的な考えや勇気は、朝、朝日のもとで。リラックスしている時に訪れるものです。
だからこそ、まず夜は寝てください。眠るために、朝はしっかりと動いてください。朝日を浴びて、外を歩いてみてください。
出来れば、学校の登校で歩くのではなく、散歩する時間を別にとってください。登校の時に歩くから良いじゃないかと思うかもしれませんが、登校は学校に行くための活動です。いじめを受けている嫌な場所。戦場に向かう時に、リラックスできますか?気持ちいいと思うことが出来るでしょうか?
登校するには、気力が必要です。その気力を貯めるためにも、朝。まず歩いてください。これからの時期、気候も気持ち良くなってきます。もし、学校で辛い思いをしら、そんな時も自分の席で座っているより、中庭などを歩いた方がよっぽど気持ちを穏やかに出来ます。一人になるのが怖ければ、職員室や保健室などの近くをわざと選んで歩いてみてください。
単純なことなのですが、たった5分でも歩くことは、私たちの脳を肥大させる効果も報告されています。
精神が安定し、リラックスが出来て、夜眠れる効果も見込め、そして頭が良くなるおまけも付いてくる。ぜひ、歩いてみてください。
【ポイントは自分でコントロール出来る場所から】
手を付けるべき個所。やり始めることは、自分でコントロールできる場所からです。選択肢は限られているかもしれませんが、自分でするかしないかを決められることから、やってみてください。
まず、健康的な考え方を取り戻すために、良い睡眠をとる。
今日、今この瞬間から、8時間睡眠を心がけてみてください。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
まだまだ続くよ。いじめ克服のためのやることリスト。
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