記述問題のコツ ~感情の意味を知る~ その1「後悔」


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こんにちは、文LABOの松村瞳です。

記述問題、特に、小説の記述問題で良く聞く悩みが、「楽しいは楽しいでしょ?」「悲しいのは悲しいよね?」「後悔って後から悔やむってことだけだよね?」というもの。そして、皆こう続きます。

「それ以上、どうやって書けばいいの? 字数が埋まらない!!」

という、悲鳴。

記述が書けない子って、どうしても思い浮かばないという子も居るのですが、目の前に白紙の解答用紙があって、「埋めなきゃ!!」と思うから、脅迫されているかのように焦るみたいなんです。

でも、安心してください。

ポイントさえつかめば、字数は簡単に埋まります。そして、簡単に正解に辿り着けるようになります。

では、どうすればいいのか。

何事も歯車がかみ合わなきゃ動かない

【感情の意味を掘り下げる】

例えば、「後悔」という言葉。

単純ですし、意味が解らないって人はいないと思います。

けれど、「じゃあ、どんな気持ち?」って訊くと、「う~ん……」って皆、考えるんですよね。

分かっているけど、言葉にできない。

これを言葉にして説明するのが、国語の能力、と言うことになります。誰もが感覚的に知っているものを言葉にして、形を与えること。これが言語化する、という作業。

なので、説明し辛いなと思う言葉を、取り上げていきます。

【後悔は後から悔やむ。なら、今は?】

「後悔」は後から悔やむ、と書きます。

後になって、あの時ああしておけばよかった。こうやったら、上手くいったんじゃないかと考えること。

なら、「今は?」と先ず考えてみる。

後から悔やんでいるということは、何かしらに失敗したということ。なら、失敗した瞬間は、どうして良い方法が浮かばなかったのか。逆に言うのならば、何を優先していたのか。

そして、何かしら気が付く瞬間があって、自分の失敗に気付き、後悔をする、という図式になります。

なので、説明としては、

Aという行動を、~~という理由でしてみた。

何かしらの失敗に気が付く。

Bをしておけばよかった。そうすれば、もっと上手くいったのに。

という感情の流れとなって、「後悔」という言葉が出来あがっています。

解答を書く、ということは、後悔の前にあった失敗の行動と、何かしらの自分の間違いに気が付く説明を入れる必要があるのです。

【簡単な例示を考える】

こういう問題を習った時、身につけるのに同じ問題を国語で探すのは、とても困難です。だから、簡単な自分の例示を考える。

パターンを覚えこむことが必要なので、そんなに深刻な話でなくとも大丈夫。




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例えば、試験で失敗した話などを、例示で考えます。

小説には、テスト問題を返してもらって、酷い成績を取ったところが「後悔」のシーンとして、線が引かれているとする。

何故、この主人公は後悔しているのか。

理由は様々浮かぶでしょうが、勉強時間が足りていなかったことが最大の原因とするのならば……

A 記憶が命の社会(高校なら世界史とか日本史)を前日に頑張った。ある程度本文の意味を理解している古典は後でもいいだろう。

失敗に気付く。
テストでさんさんたる結果。

直前の記憶で対応できる量ではなく、社会がボロボロ。解っていたはずの古典も、確認を怠ったから、ちょこまかとミスしていて、復習を少しでも前日しておけば、もっととれた点数。

B 古典をもっと確実にしておけばよかったと、「後悔」している。

という、流れが必要になるのです。

これを順番に書けば、充分字数には到達します。むしろ、書きすぎて消す事の方が大変になるぐらいです。

その感情がわき上がる前の段階を考えるのが、とても大事。そこを考えないと、正解にたどりつけません。

 

【大阪大学2012年後期過去問】

実際の受験問題で考えてみましょう。

上野朱「父を焼く」からの問題です。

父を亡くし、その火葬に立ち会う主人公の目線からの小説、と言うよりもエッセイと言った方がしっくりとくる、この文章。

出題の最後は、このように表記されています。

そこでやっと、金槌で打つべきは釘ではなく私の頭だったのかもしれないと気が付く。煙草と焼酎は確かに柩に入れたが、ペンと原稿用紙を入れるのをすっかり忘れていたのだった。(本文より)

問題は、筆者は生前の父をどう思っていたのか、説明せよ、となっています。

金槌で自分の頭を打つ。=それぐらい衝撃で、馬鹿なことをしてしまった自分を悔いている主人公の姿が見えます。

この主人公は、何をしてしまったのか。

御棺にふたをする前。身内の人々が、故人をしのんで様々なものを入れます。その時、主人公は煙草と焼酎を入れた。

それは、生前の父が好きだったからです。生きている時に好きだったものを入れてやろうという気持ち。そして、自分の中に残る父のイメージは、煙草を常に燻らし、焼酎を飲んでいた姿でした。だから、そのイメージにそのまま沿って、この二つを主人公は入れた。

けれど、無事に柩が焼かれ、小さな骨壷に治まった父を抱えて夕暮れを見ながら、主人公は自分の間違いに気付くのです。

自分のイメージを優先してこの二つを入れたけれど、作家としての父が本当に必要だったものは。本当に入れてほしかったものは、その生涯をかけて書き続け、使い続けた、ペンと原稿用紙だったのではないか。それを死後も、彼は必要としたのではないか。

解答とすれば、

A自分の中に残る父のイメージを優先し、焼酎と煙草を柩の中に入れ、火葬。

作家として生きた父が、本当に死後も必要とするものは、ペンと原稿用紙だったのではないかと、気付く。

B ペンと原稿用紙を入れればよかったと、後悔。

主人公にとっては、父はあくまでも父親であり、作家としてよりは私人としての煙草を愛飲し、焼酎を飲んでいた人、というイメージが強かった。

となるわけです。

難関大学の問題でも、日常的なものでも、この「後悔」という言葉の説明の順番は変わりません。簡単な問題で方法を叩き込み、問題で見かけるたびにこの順番を確認し、感覚に刷り込んでいく。

そして、目の前の主人公の心情を読みとって、パターンにはめていくだけです。

【感情の原因を見つける練習をする】

感情は理屈はなく、論理性も無いものですが、たった一つ、確かなものがあります。

その感情がわきあがった、原因。理由です。

この原因というのも、その人なりのものです。

常識や、道徳が通じないのが感情というのならば、その人が何に反応し、感情を反応させたかは、文章を読み込むしか術はありません。けれど、人間とは不思議なもので、探すものが明確になっていれば、探せるものなのです。

問題で問われる場合以外にも、日常的な国語の授業や問題で、感情的な表現が出てきたら、「どうしてそれを感じたのか」「原因は何か」「きっかけは何か」ということを常に考えてみてください。

そうして、周りの友達と話し合ったり、先生に質問しに行ってみてください。

「こうじゃないかな~」と思うことが、解答を作る始まりです。

その時にも、自分の感覚や感情、原因ではなく、あくまで書いてある文章に、原因を探してくださいね。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 






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