国語力の低下の危機 2018年度 平成30年度 センター本試験国語 雑感


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2018年度センター試験本誌が終わりました。

毎年、この時期にセンターの問題を分析するのですが、その感想と、問題の傾向。平均点からみる国語力の低下の原因を書きます。

是非、来年のセンターに向けて、準備はすでに始まっている時期なので、参考にしてみてください。

言葉は通じるけど、話は通じない。そんなふうにならないためには……

【全体の傾向】

今回は、全体的に本文は平易。そして、選択肢が難、というパターンでした。

それぞれ、書いてある文章はとても読みやすい物で、さほど理解に手間はかからなかったと思います。

けれど、問題なのは、各予備校の全国平均点の速報が100点~110点。去年よりも約5点ほど下がっています。

100点を切る、とまではいかないと思いますが、今回のセンター国語。得意な子ほど点数を落としているなと思うほど、難問でした。特に、直前で180点前後を取っていたのに、実際本番は130~160に落ちた子もいるのではないでしょうか。

けれど、問題自体は平易なものだったのです。むしろ、簡単だと思えるものでした。

これはどうしてなのでしょうか?

本文の文章自体は然程難しくはない。

設問自体も、従来の訊き方とは違う出題の仕方をされたものが多くありましたが、それでも訊いている事は非常にシンプルです。

なのに点数が取れない。得意である子ほど落とす、という傾向はどうしてなのか。よくよく問題を見てみたのですが、選択する問題文の違いが、とても細かい部分で違うのです。

もともと、センターの出題文はかすかな違いを見抜く物が多いのですが、焦っているとそれを見落としてしまう物がとても多い。冷静になれば解るけれども、本番の状態で気付けない事が多かったのでしょう。

その細かい部分を読みとれない。小さな、細かな違いを見つけられない状態の人。なんとなく、勘で取れていた。または、調子よく点が取れているから。本文が簡単だから大丈夫だろうと設問に進み、安易に選んで吟味を怠った人を落とす、非常によく練られた良問でした。

そして、思うことは、文章読解のテクニックに頼り、短期間で点数を上げた人をふるい落とす意図もあるのではないかなという、問題製作者の意図が伝わってくるようでした。

単純な読解のテクニックでは太刀打ちできない。しっかりと理解したうえで取り組まないと高得点が取れない。更には、丁寧さも必須な問題が多く配置されていました。

2020年のセンター改定を前に、面倒なことをしっかりと吟味できるのか。丁寧にしっかりと読みこめているのかが、キーポイント。

そして、古典に関しては、基礎的な部分が土台としてしっかりと補強されているかが、点数を分けたなと。

細かく、面倒なことをどれだけしっかり出来るのか。

どの分野でもそうですが、常に基礎力というのは大事であり、設問の文章の違いを読みとろうとするのならば、基礎的な地味な部分をどれだけ積み上げる事が出来るかが、ポイントになります。

来年、恐らく簡単になることはまず予想できません。

設問の違いを明確に指摘できるようになるまで、読解力を高める必要があります。

【評論】

全体主義が出ると思っていたのですが、政治や経済、思想論ではなく、出たのはデザインからの心理学論。

心理学が続くなぁ、という感想です。

そして、難易度的にはとてもスタンダードでした。読みやすかった人も多かったのではないかなと思うほどです。

目立ったのは、一つだけ会話形式の問題が出た事。

本文の内容に対して会話している一部が空白で、そこを穴埋めする、英語などでよく出題される形のものです。

単純な問題の改定ですが、これは解答するコツが少々有ります。文章のテクニックを知っている人は、楽に解けたのではと思います。

【小説】

小説は、年配の女性が主人公の、長年連れ添った、亡き夫に対しての愛情を再確認するお話です。




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はい、来ました。

主人公が女性で、恋愛もの。しかも、夫婦間の恋愛・愛情物。

恐らく、男子は取れなかった。理解できなかったという人が続出してのではないでしょうか。

男子が最も苦手とするパターンです。

評論も女子に有利な心理学で、小説も女子は非常に簡単な恋愛もの。

設問に、選択に非常に迷う部分もある問題もあったので、時間が食われた人も多かったのではないかなという印象です。

そして、一番今回の問題の中で、時間を食う意地悪な問題が配置されていました。

それを丁寧に確認できたかどうかが、勝敗を分けた感じです。

【古文】

本居宣長の和歌を解説した文章の中から出題。

和歌に恋の歌が多いのは、何故なのか?から始まり、和歌の原点である心の情動を説明し、情と欲の違いを解説しながら、情が和歌で歌うにふさわしい非常に細やかな内容である、としています。

これは、平安期の文章ではなく、江戸時代の文章なので、非常に読みやすく、敬語などもまったくなかったから、読みやすかったのではないかと思います。

近年出題されていた恋愛ものの小説ものより、題材も内容も理解しやすいものであったかと。

けれど、従来の問題の訊き方ではなく、ここでも違う出題の仕方が多く見られました。

【漢文】

漢文は、文人のバカ息子と、政治家との一日の問答を記した手記。

平時はバカな若者だったけれど……と、前置きが書いてあるのですから、実際はそうではなかったと続くはず。そして、この見た目は馬鹿に見える若者が、実はとてつもなく頭が良い存在だったということを証明するような内容が後に続きます。

この漢文。

基礎的な句形をしっかりと学んでおいた人が点を取れたというほか有りません。

細かい部分を面倒だからと見過ごした人は、大きな痛手を食らったのではないかなと思います。

【まとめ】

解っているけど、基礎って時間かかるから出来ないんだよ!!

そういう人は多く居ます。けれど、そうやって面倒だからと見過ごしてきた状態が、やはり結果として出たのではないかなと。

逆に高得点を確保できた人は、地道な努力を怠らなかった結果です。

時間だけをかけるのではなく、ひとつひとつ。丁寧に見直しと確認。そして、理解を怠らないでください。解らない部分にどれだけ誠実に向き合えるか。

それが勝敗を分けます。

各それぞれの解説は、明日から続けたいかと。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございました。


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