センター試験内容にヤマをはってみた 平成30年度問題予想 

テスト対策
geralt / Pixabay

こんにちは、文LABOの松村瞳です。

12月に入り、いよいよ本格的な受験シーズン突入です。なので、今日は今年度(平成30年1月13日実地センター試験)の試験内容を予想してみます。

そんなこと出来るのか!? と思われるかもしれませんが、センター試験の評論と小説って、その時代を反映している物がとても多く、歴代で見ると一定の問題傾向が社会情勢を反映しています。

なので、今年。平成29年、28年に社会に影響を与えた出来事や、考え、思想、ペストセラーの本等から、ある程度予想することが出来ます。

もちろん、当たるも八卦当たらぬも八卦ですが、知識として是非、頭の中に入れておいたり、そんな思想があるんだと知っているだけで、随分と楽になります。

その場にある文を読み解くのも手ですが、知識があると速度が違います

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【ここ数年のセンター試験傾向】

一番内容が影響する、評論を分析すると……

平成29年 「科学コミュニケーション」
平成28年 「キャラ化する/される子どもたち」
平成27年 「未知との遭遇」
平成26年 「漢文脈と近代日本」
平成25年 「鍔」
平成24年 「境界としての自己」
平成23年 「身ぶりの消失」

出典のタイトルを、本試験のみ挙げてみました。

これを評論の内容で比べてみると……

平成29年 人間の科学への盲信と科学のゴレム的性質
平成28年 現代の複雑な人間関係を単純化するために、キャラクター化を選択した人々の姿。
平成27年 ネット上で知識を啓蒙することの問題点
平成26年 日常読む言葉が精神に与える影響を、漢文学を教えた明治時代の教育を通して考察する。
平成25年 芸術論。刀の鍔の造形を通して、それらを作り出した武士達の精神に迫る。
平成24年 生きものは生き残るために最善の方法を必ず選択するが、人間が獲得した自意識は、時に生存を目的にする集団行動と対立する危さを持っている。
平成23年 現代住宅が抱えている、人の身体的動きという点においての、欠陥。

ちょっと分かりやすいように、色わけをしてみました。(参照⇒ 大学入試センター)

【内容分析】

で、これらのどこに推測できる部分があるんだ!! と言われそうですが、27年と28年は、ネット社会の弊害がテーマとなっています。

ネット社会というと、現代人には切っても切り離せないものですが、要するにその科学技術で変化してきた人間関係の複雑さ。そしてそれに対応しようと頑張っている人間の精神を問題に取り上げています。

そして、前回の29年は、近代の人々が科学を万能の魔法ように、何でもかんでも問題を解決してくれる存在だと思いこんでしまったけれど、本来科学と言うのは役立つ善の部分だけではなく、きちんと悪の部分も持っている存在なのだということを書いてある内容です。

と言う事は……

ここ3年くらいは、ネット社会での人間の交流がどんな影響をもたらしているのか。

そして、科学技術を便利なものとして考えるのは良いけれど、悪い部分もしっかりあるよ。それを分かってねという、急激に進む、インターネット社会やスマートファン技術に対する警鐘とも取れる流れになっています。

ネット。特にSNSが人の心に与える影響は、近年沢山の評論家が指摘しているところです。

一説によると、人をノイローゼやうつ状態に導く一番のSNSは、インスタグラムだと言われています。「綺麗な写真を!」と、今年の流行語が「インスタ映え」になったことを考えても、様々な場所で写真を撮ってSNSでシェアする、という行動が推奨されていますが、誰もがわざわざ自分の日常をネット上に掲載しようとは思わないはずです。ほんの少し良い日常。お出かけしたり、遊びに行ったりした時に撮った、良い写真を上げるはず。

だとすると、インスタを見ていると、誰もが幸せな日常を過ごしていると考えてしまい、「それに比べて自分は……」となってしまう。それに拍車をかけるのが、「いいねボタン」だと言われています。

便利だから、楽しいからとそれに頼ってばかりいると、大事なものを見失うし、科学にしっぺ返しを食らう事になるよと、近年のネットの急速な普及に対する警鐘のような内容が、ここ数年続きました。なので、ネット関係はもう出ないのでは……と思っております。

【で、今年の予想は?】

で、肝心の今年の予想なのですが……

ポイントは、ここ近年の社会情勢と、ここ数年。内容として取り上げられていないものです。

今年、何が一番トップニュースであったかと言うならば、北朝鮮のミサイル問題が取り上げられるでしょう。

更にいうのならば、アメリカではドナルド・トランプ氏が大統領として就任されました。

それに伴い、アメリカ国内では約半世紀も前の小説や哲学書が再びベストセラーとなり、脚光を浴びています。

一つは、ジョージ・オーウェルの「1984」

ジョージ・オーウェルの「1984」は1948年に刊行された、最悪な未来を描くと言う、超管理社会を描いた全体主義の社会の中で、そこから抜け出そうとする一人の主人公の話です。

このオーウェルの作品は、その後の創作者に多大な影響を与え、「ディストピア小説」という新たなジャンルを切り開きました。(ディストピアは造語。理想的な社会を表す、ユートピアの反意語)

発達した科学により、各個人の家にはテレスコープというテレビが必ずあり、そこから政府に常時監視されているという世界です。日々の行動を記録することすら許されない中で、主人公は罪だと分かっていながら、小さなノートにペンで己の日常を書きとめていきますが……

影響力の強い政治勢力により、個人が圧迫され、精神的に無気力になっていく様がまざまざと描かれています。

 

もうひとつは政治哲学者ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」

(ハンナ・アーレントはかなり難読になるので、読みやすいこちらをお勧めします。)


(こちらの方が圧倒的に分かりやすいし、安いです! (笑))

ユダヤ人でありながら、ユダヤ社会から批判された、有名な歴史哲学者。つい最近、NHKの「100分で名著」という番組で放送されました。(大好きな番組です)

ハンナ・アーレントは「エルサレムのアイヒマン」での、悪の凡庸さでも有名な哲学者ですが、この「全体主義の起源」では、ナチス政権が如何にして全体主義を作り上げ、ヒトラーがどうして独裁者たりえたのか。そして、人間がどういう時に間違った選択をするのかを、体系的にまとめた、群集心理。全体主義、プロパカンダなど、様々な視点から全体主義の事を語っています。

ぷらす、

最近政治学が全くと言って良いほど出てないんです。

哲学も出ていませんが、政治はさっぱり。

なので、政治学や全体主義、戦争についての論文が出るのではないか……と、予想しています。

個人的には、

評論で全体主義国家論の政治学。
小説で、戦争小説が出るのではないか。

と予想しております。(外れたらごめんなさい)

 

【男子・女子の得意分野苦手分野】

長年指導をしていて気が付いた事なのですが、女子と男子で得意分野が内容によって分かれます。

男子が得意なのは、政治や経済、科学、哲学です。建築分野も得意かな。科学的な文章はやはり、男子は得意です。

逆に言うと、この男子の得意分野が女子の苦手分野です。

女子が得意なのは、芸術、思想、社会問題、人間関係、コミュニケーション論です。

もちろん、これらが得意な子もいますが、自分の得意分野と苦手分野を知っておくのは、とても大事。

小説では、

男子が得意なものは、戦争物や、男性主人公の仕事に関するもの。

逆に超が付くほど苦手……というか、点数がダダ下がりするのが、恋愛物です。女性主人公だと、もう見事なほどに皆点が取れません。

逆に女子が得意な小説は、当たり前ですが恋愛物。後は、人間の死に関するものや、芸術関係、人間関係に焦点を置いたものは、女子は得意です。

苦手なのは、政治、そして戦争物。

なので、今年は男子にちょっと有利かなぁ。と思っていたりします。

逆に恋愛ものが出たら女子はラッキーですね。

哲学者や思想家の考えは、ある程度知っていた方が楽です。
カント、ニーチェ、ハイデッガー、ウェーバー、マルクス、ベンサム、アダム・スミス、ヘーゲルあたりは、何を提言した哲学者たちなのかを一言で言えるように、要復習してください。

政治学や哲学、そして全体主義を語る上で重要な人達です。

倫理の教科書と少しお友達になっておくと、有利かと。

 

では。

残り40日。40日で何が変わる? と言う人は、頑張ったことのない人です。もしくは、頑張って失敗するのが怖い人。そんな人のいう事には耳を貸さず、満点を目指して知識を蓄えてください。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

 

 

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