2018年度(平成30年度)センター本試験 国語 漢文解説

テスト対策

【問4】

傍線部B「言聴計従」とあるが、(ⅰ)誰の「言」「計」が、(ⅱ)誰によって「聴かれ」「従われ」るのか。(ⅰ)と(ⅱ)との組み合わせとして最も適当なものを選べ。

はい、これも今回から出題された新しい形の問題ですが、主語を考えれば大丈夫。

傍線部Bの前は、「故に」となっているので、訳せば「だから」です。Bの部分が結果となっている。ならば、原因はその前の文だと、ひとつ前の文章を見ます。

「古来から、賢相が功績を為し、民に恩恵を施すことが出来るのは、君主と臣下がお互いに理想的な信頼関係を築いていたからです」と有ります。

なので、意見や計画を進言するのは、臣下である賢相。臣下の意見を聞くのは、君主です。

前文の内容と主体と客体を見抜ければ、選択肢③の組み合わせが正解だと解ります。

原因⇒「だから」⇒結果。

文章の基礎中の基礎ですが、中学生で習った文章のルールは、漢文でも古文でも使えるものです。基礎が大事。そう、問題が言っている気が随所に表れている感じです。

【問5】

傍線部C「嘉祐所以恐誉望之損也」とあるが、王嘉祐がそのように述べるのはなぜか。

「わたくし、嘉祐が(あなた様の)誉と望みが損なわれることを恐れている理由です。」と訳せます。

ということは、その直前を探せばいい。疑問形で聞いていますよね。

「あなたは、皇帝と理想的な信頼関係を築いていますか?(そうでなくては、必ず失敗します)」と。

つまり、嘉祐は、寇準は世間に宰相に望まれているけれども、古来から賢相が善政を行えたのは、君主と信頼関係を築いていたからだ。あなたは、それが出来るほど皇帝の信頼を得ているのだろうか。得ていなければ、(あなたがどれだけ有能であったとしても)失敗するだけだ。そこが、私の恐れる理由だと言っている。

それが過不足なく入っているのは、選択肢②

①は、宰相が寇準に対して、という部分が間違い。寇準が宰相になるかならないかが問題となっている。
③は、皇帝が寇準に対して、というのが間違い。世間の人々が、寇準に世の中を太平にしてほしいと願っている。主語が違う。
④は、寇準が皇帝の意向に従ってしまえぱ~の部分が間違い。本文に、そんな内容は書かれていない。
⑤は、宰相は~となっているのが間違い。主語が違う。

【問6】

傍線部D「殆不能勝吾子也」とあるが、その説明として最も適当なものを選べ。

総括のまとめの問題。

父は息子である嘉祐に、政治的洞察力という点では勝るあたわず、つまり、勝つことは出来ない、と言っているので、父よりも息子である嘉祐の方が政治的洞察力は圧倒的に優れている、ということ。

選択肢の末尾は全て一緒で、父よりも嘉祐が優れていると結んでいる。ならば、どういった点で、という部分まで読みとり、横に比較します。

①が政治家の思考
②が意志の強さ
③が歴史の知識の深さ
④が見識の高さ
⑤が言動の慎重さ

ここから、政治的な洞察力をかいてある、①と④を残す

そして、両者を比較です。

①は全てが間違いというわけではないのですが、人々との向き合い方が重点的に書かれていたのではなく、君主と臣下の関係性。そして、寇準の今後の選択まで言及をしているので、それらが入っている選択肢④が正解。

これはオーソドックスな選択肢を横に読んで見比べる形で、簡単に落とせました。

全てを読んでも良いのですが、迷った時は部分部分で横に読むのは効果的です。特に、文末が一致している問題の時は、その前を比較すると、解りやすいし、選びやすい。

是非、参考にしてください。

ここまで読んで頂いてありがとうございました。

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